こんな幕切れならやり切れない。キジムナーフェスタの愛称で親しまれている国際児童・青少年演劇フェスティバルおきなわの来年度開催が危ぶまれている。主催団体の一つである沖縄市が市議会との調整に行き詰まり、見送りを決めた

▼演劇や人形劇、ミュージカル。息づかいが伝わるような距離で本物の舞台を鑑賞する子どもたちの顔を思い浮かべてほしい。25日には那覇市で存続を求めるシンポジウムも開かれる

▼中国・韓国で激しい反日運動が起きた今年、「心配するな」とばかりに両国の劇団が参加した。イスラエルとパレスチナの関係者が、国同士の確執を超えて手を握る場面もあった。人々を結びつけたのは、沖縄ならではの芸当だろう

▼野党多数の市議会は、これまでも費用対効果や運営方法を批判してきた。行政チェックの使命感もあろうが、「角を矯(た)めて牛を殺す」では元も子もない

▼子どもの権利を大切にしようと、市が県内初の制定を目指していた「こどものまち基本条例案」も、今議会で否決に。“お家芸”とも言える市当局と市議会の対立に、「こどものまち宣言」の看板が泣いている

▼一連の騒動には、来年の市長選をにらんだ与野党の駆け引きが透けて見える。割を食うのは子どもたちだ。内輪の論理による政治劇で、座をしらけさせるな。(鈴木実)