今年は計26回の闘牛大会が行われた。1990年代には年40回を超えていたが、ここ数年は22回前後まで減少。活気が出るといわれる30回前後までの回復が待たれていたが、ようやく上向きに転じた感がある。観客に女性や若者の姿が目立ち、若手グループの飼育も増加。農村の娯楽から発祥した旧来の闘牛イメージが変わりつつあり、フルシーズンで楽しめる迫力満点のイベントとしての認識が定着しつつあるようだ。

巨体を生かした怒涛の押し込みで最強牛となった古堅モータース☆若力。11月に王座初防衛を果たしたが、来年どこまで防衛回数を伸ばすのかが焦点

 今年も話題トップは昨年同様の王座交代劇。2012年11月沖縄全島一の防衛回数4回の荒風号を下した東山優武勝は、旧正月準全島大会でそれいけ台風を一蹴して初防衛を果たしたが、5月春全島で2回目の防衛に失敗。新チャンピオンとなったのは闘牛界屈指の巨漢古堅モータース若力号。体格を生かした重い腰で優武勝の攻めを封殺し、疲れた優武勝を15分余で敗走させた。11月秋全島で初防衛(挑戦牛は大屋若大将)を果たし、並外れた体力を売り物にしているだけに前途洋々だ。

 来年若力の挑戦牛筆頭は、だだ吉三郎で大方の見方は一致。今年3勝を上げ、デビューから無傷の4連勝と勢いは申し分ない。評価と人気も急上昇しており、対戦が決まれば近年屈指のビッグタイトルマッチとなるだろう。

 中量級は闘将ハヤテが春、夏、秋の全島で3回連続防衛を達成。デビューから連勝を9に伸ばした。最強中量級王者の声がかかる状況となっており、来年どこまで防衛を伸ばすか注目の的だ。

 挑戦牛候補に挙げられるのは当面、徳之島から移籍して今月に顔見せ(対戦牛が戦意なく不戦勝)したばかりの有心富士若(5戦全勝)、荒技速攻で評価が高い南武牛皇(2戦2勝)の2頭。両牛、人気沸騰の強牛だけに闘牛ファンの関心は年明け早々から日増しに高まることだろう。

 軽量級はめまぐるしく王座が交代した。5月春全島で王座にあった闘将☆メカを大激戦の末に下した嘉良来亥背白が8月夏全島で琉仁謝名親方に敗れ、わずか3カ月の王座に終わった。

 新チャンピオンとなった謝名親方は11月秋全島で名うての荒技牛龍天龍鬼丸の挑戦を退け、初防衛に成功。次期挑戦牛として今年6月、王座獲得前の謝名親方を破っている大蛇王が有力だが、実現すれば謝名親方の雪辱なるかで盛り上がりそうだ。

 前半戦ハイライトはまず、1月2日新春闘牛で行われた勝進龍とだだ吉三郎の一戦。攻守ところを替える大激戦となり、大いに観客を沸かせた。ここで勝ち上がった吉三郎がその後も順調に勝ち進み、次期王座挑戦牛候補となる大出世を遂げている。2月10日の旧正準全島で元中量級王座一心力に快勝したトラムクーパンダが5月春全島で中量級王座挑戦牛に選ばれたが、闘将ハヤテの堅い守りを崩せず完敗した。

 同じく2月24日の具志川大闘牛でajを一蹴した武将王の鮮烈デビューも印象に残った。3月24日本部の2番戦大和産業若力は、2戦目ながらベテラン牛の毅龍に快勝し、株を上げた。5月春全島で圧勝劇を演じ、観客の度肝を抜いた戦闘大主は人気が急上昇。その後も白星を重ねて中量級王座挑戦牛の候補の一頭にまでランクを上げている。

 6月2日の読谷に登場した石山玄皇は白龍王を一蹴し、2連勝。底を見せない戦いぶりに注目するファンもいる。

 後半戦で目を引いたのが8月9日本部海洋まつり闘牛の山里シーサー。デビュー時の不安定さが解消され、見違えるような鋭い動きで与那嶺花形篤希號を下した。その後も快進撃が続き、11月秋全島でも白星の活躍。北部期待の一頭で来年は一段と注目を集めそうだ。10月うるま祭り闘牛3番戦の隆羽白鵬は初黒星後の復活戦を快勝し、一皮むけた感。11月秋全島で闘牛通を唸らせたのが梨夢神。徳田若力の攻めをものともせず最後は怒涛(どとう)の腹取りを決めた。こちらも中量級のホープとして大きな期待を集めそうだ。

 最後の大会となった12月1日具志川若手大闘牛で結びの一番を制した剛修若虎(2連勝)も体格があり、今後力をつければトップランク入りの可能性が高い。来年の闘牛は元旦から3日にかけての新春シリーズ(闘牛大会3連発)で幕を開ける。(又吉利一通信員)