サウジアラビア産の液化石油ガス(LPG)高騰の影響が、県内でも広がっている。プロパンガスの小売業者はガス料金への転嫁を検討、燃料にブタンガスを使うタクシー業界も悲鳴を上げる。年明け後もLPG価格は高止まりが続くとみられ、家計や企業の負担が増しそうだ。

 県内の卸売業者によると、プロパンガスの元売りメーカーからの仕入れ価格は、直近2カ月の対日契約価格(CP)の平均値、為替レート(円建て)を踏まえて算出されている。

 今回の急騰によって、1トン当たりの仕入れ値は前月比で1万4千円上昇、1立方メートルに換算すると約28円の増加となる。ガス価格の上昇、円安の進行が「ダブルパンチ」となっているのが現状だ。

 プロパンガスの卸売業者は仕入れ値の上昇分を転嫁して、小売業者に販売。一方、消費者向けのガス料金は小売業者が個別に決定している。こまめに少しずつ価格を見直す業者、一定期間の状況を見ながら判断する業者もいる。

 ただ、LPGが史上最大の上げ幅を記録したことで「多くの業者が値上げに踏み切らざるを得ないだろう」(県内卸売業担当者)との見通しだ。

 「ことしは昨年の平均価格を下回る月がなく、10月の値上げに踏み切ったばかり。さらに上がるとは…」。ある小売業の社長はため息をつく。「これだけの上昇分を自前で吸収するのは難しい。冬場の需要期に申し訳ないが、消費者に理解を求めていくしかない」と肩を落とす。

 年明けの動向についても「CPは少し下がるかもしれないが、円安は進みそうだ。高止まりは続くだろう」とみて、新たな値上げを検討していく考えだ。

 一方、都市ガスは国の定めた原料費調整制度に基づき、原料価格の増減を料金に反映させる仕組みで、昨年8月以降、上昇傾向が続いている。(長浜真吾)