米軍普天間飛行場の辺野古移設問題で、環境影響評価(アセスメント)をめぐる「不都合な事実」がまたも明らかになった。

 県に提出した環境アセスの補正済み評価書の中で沖縄防衛局は、滑走路よりの海側に設置する弾薬搭載エリア(装弾場)を「約1万6000平方メートル」と記載した。

 「ヘリ等が故障した場合等」に備え、「護岸の一部約200メートル」を船舶接岸用に整備する、とも記している。

 ところが、埋立申請書では弾薬搭載エリアの面積が「1万8662平方メートル」に膨らみ、船舶が接岸する埠頭も「271・8メートル」に拡大した。

 施設の概要を記した補正書と詳細設計の規模を記した文書の数字が一致しなくても問題はない-と県海岸防災課は指摘する。公有水面埋め立ての一般論としては、県が言う通りだろう。だが、国内法の及ばない米軍飛行場を新たに建設する場合、この数字の違いは重大である。

 「ヘリ等が故障した場合等」の2つの「等」がくせものだ。「271・8メートル」の埠頭が整備されれば米海兵隊の強襲揚陸艦の接岸も可能となる。決してちょっとした違いではない。

 中身がはっきりしないようにできるだけ表現をぼかし、オスプレイ配備のような重要な事実はぎりぎりまで公表せず、環境に与える影響を低く低く見せる-辺野古アセスは、準備書の段階から埋め立て申請に至るまで、問題があまりにも多い。

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 これほど不誠実な環境アセスが過去にあっただろうか。環境保全という立場を重視すれば、どこからどう考えても「承認」という結論は出てこないはずだ。

 仲井真弘多知事は安倍晋三首相や閣僚が出席した17日の沖縄政策協議会で、普天間飛行場の「5年以内の運用停止」など新たな内容を盛り込んだ基地負担軽減を、唐突に、要請した。

 要請書は、項目を箇条書きで羅列しただけで、内容の説明がついていない。どのような性格の要請書なのかもはっきりしない。

 今に至るまで知事から政府要請について何の説明もないのは異常である。

 知事は、埋め立て申請について、早ければ連休明けの24日の週にも最終判断を下すとみられているが、県民の目の届かない東京を舞台にした振る舞いはいかにも危うい。

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 県の要請内容は短時間に確答できるようなものではなく、「努力します」式の抽象的な回答は空手形と何も変わらない。政府のシナリオに抱き込まれないことが重要だ。

 知事が「不承認」と判断すれば国が行政代執行することになる、との声もある。ほんとにそうなのだろうか。

 復帰前の1950年代、米軍は「銃剣とブルドーザー」で土地を強制接収し、自分たちの都合のいい場所に基地を建設した。政府がもし強権を発動すれば、移設計画は日本政府による「現代版銃剣とブルドーザー」と見なされ、完全に正当性を失うことになる。