沖縄をめぐるメディアの現状を考えるシンポジウム「沖縄はなぜ報道されないのか?」が22日、那覇市の沖縄大学同窓会館であった。ドキュメンタリー番組を上映する「沖縄・奄美の映像祭」の一環で文化経済フォーラムが主催。大学教授やメディア関係者が発言し約110人が聴き入った。

沖縄をめぐるメディアの現状などについて議論するパネリスト=那覇市の沖縄大

 琉球放送や琉球朝日放送で働いた具志堅勝也さんは、1月の東京行動に関してテレビのキー局が1分前後しか放送しなかったことなどを例に「沖縄の人がいくら声を上げてもなかなか本土に伝わらない」と問題提起。キー局がローカル局のニュースを吸い上げる構造の限界を語った。

 元沖縄タイムス記者の屋良朝博さんは大手の記者について、在沖米海兵隊の役割や運用方法など基礎的な情報を知らないことを指摘。「素材を知らない料理人と同じ。それが問題だとも気づいていない」

 同志社大学社会学部教授の渡辺武達さんは沖縄について取材した番組が全国ネットで放送されず、されたとしても深夜に限られることなどを挙げ「多くの日本人は沖縄に関心を持たない方が暮らしやすい。そんな心的構造がつくられている」と話した。日本マス・コミュニケーション学会では「政治性を帯びている」などとして沖縄をめぐるメディアの研究が進んでいないことを明らかにした。

 TBSテレビ執行役員の金平茂紀さんは、米国で基地問題を取材する大手の記者について「政治部から記者が平行移動しているだけでインナーサークルが出来上がっている」と指摘し、日本の領事館などに偏った取材を批判した。