雑草、という言葉がよく似合う。プロ野球・中日に入団した浦添市出身の又吉克樹投手(23)。西原高校に入学した時は身長160センチに満たず、3年間控え選手としてチームの打撃投手を務めた

▼環太平洋大で本格的に投手の練習を積み、四国アイランドリーグの香川でエースに成長。独立リーグ史上最上位のドラフト2位指名を受けた。「独立リーグがなかったら野球をやめていた。支えてくれた人に感謝の気持ちを忘れず頑張りたい」と意気込む

▼ゆったりとした右横手投げからの速球が武器。打撃投手として楽に多投できる投法を研究し、体得した変則フォームだというからユニークだ

▼球団関係者によると10代で肩や肘を酷使していない分、今後も伸びしろが見込めるという。独特の選手起用で知られる落合博満GM、捕手兼任の谷繁元信監督の下で個性をどう生かすかが楽しみだ

▼県出身の右サイドスローといえば安仁屋宗八、デニー友利、現オリックスの比嘉幹貴と続いてきた系譜がある。先輩たちを追い越す活躍を期待したい

▼「雑草という名の草はない」。以前、生物学者から聞いた言葉を思い出した。一本一本の草が今日も懸命に生きている。まだ何者にもなれず、もがき続ける幾多の無名の人々がいる。「希望」の存在として大輪の花を咲かせてほしい。(田嶋正雄)