沖縄タイムス社は2013年の県内十大ニュースを選定した。沖縄はことしも基地問題に揺れた。1位は米軍普天間飛行場の県外移設とオスプレイ配備撤回を求め、全41市町村の首長や県議会各会派が「建白書」を携えた東京行動。一方、県外移設を掲げて当選した県関係の自民党国会議員の辺野古移設容認と県連の方針転換が2位。1952年に沖縄を日本の施政権から切り離したサンフランシスコ講和条約が発効した4月28日を「主権回復の日」とした政府式典に抗議する県民大会は3位に。4位は宜野座村のキャンプ・ハンセンへの米軍ヘリ墜落など相次ぐ米軍事故だった。女性寿命が3位に転落し、長寿復活への取り組みが本格化、八重山郡民念願の「南ぬ島石垣空港」開港、石垣市白保の洞窟遺跡で見つかった人骨が約2万6千年前の国内最古のものと確認されるなど新発見も相次いだ。しまくとぅばの普及継承に向けた県民大会が初めて開かれ、プロゴルフでは宮里優作が初優勝するなど国内外で県勢が活躍した。

オスプレイ配備撤回を訴え、拳を突き上げる東京集会参加者=1月27日、東京都・日比谷野外音楽堂

「辺野古」容認に転じたことを明らかにする石破茂幹事長(左)と沖縄関係自民党国会議員の5人=自民党本部

屈辱の歴史を振り返り、「がってぃんならん」と拳を上げる参加者=4月28日、宜野湾海浜公園屋外劇場

キャンプ・ハンセン内に墜落し、煙を上げるHH60救難ヘリの残骸=8月5日、宜野座村

平均寿命の順位後退について説明する(左から)崎山八郎福祉保健部長と国吉秀樹健康増進課長=2月28日、県庁

沖縄県のやんばる地域の固有種ヤンバルクイナ。独自の進化を遂げている点などが世界自然遺産の選定基準を満たすと評価された=2013年6月14日(田嶋正雄撮影)

開港した新石垣空港で職員らに見送られて那覇へ向かうJTAのジンベエジェット

サキタリ洞遺跡から発掘された約8千年前の土器の破片。押引文と呼ばれる文様が確認できる

しまくとぅばに合わせてラジオ体操をする高良倉吉副知事らと大山幼稚園の子どもたち=9月18日午後、宜野湾市・沖縄コンベンションセンター

日本シリーズJTカップで、念願の初優勝を果たした宮里優作=12月6日、東京よみうりCC

オスプレイ配備撤回を訴え、拳を突き上げる東京集会参加者=1月27日、東京都・日比谷野外音楽堂 「辺野古」容認に転じたことを明らかにする石破茂幹事長(左)と沖縄関係自民党国会議員の5人=自民党本部 屈辱の歴史を振り返り、「がってぃんならん」と拳を上げる参加者=4月28日、宜野湾海浜公園屋外劇場 キャンプ・ハンセン内に墜落し、煙を上げるHH60救難ヘリの残骸=8月5日、宜野座村 平均寿命の順位後退について説明する(左から)崎山八郎福祉保健部長と国吉秀樹健康増進課長=2月28日、県庁 沖縄県のやんばる地域の固有種ヤンバルクイナ。独自の進化を遂げている点などが世界自然遺産の選定基準を満たすと評価された=2013年6月14日(田嶋正雄撮影) 開港した新石垣空港で職員らに見送られて那覇へ向かうJTAのジンベエジェット サキタリ洞遺跡から発掘された約8千年前の土器の破片。押引文と呼ばれる文様が確認できる しまくとぅばに合わせてラジオ体操をする高良倉吉副知事らと大山幼稚園の子どもたち=9月18日午後、宜野湾市・沖縄コンベンションセンター 日本シリーズJTカップで、念願の初優勝を果たした宮里優作=12月6日、東京よみうりCC

1 普天間・オスプレイ 建白書携え東京行動

 米軍普天間飛行場の県内移設断念とオスプレイの配備撤回を求めて、県民大会実行委の共同代表らは1月27、28の両日、全41市町村長や県議会各会派が署名した「建白書」を携え、復帰後最大の上京要請となる「東京行動」を展開した。

 27日は日比谷野外音楽堂で約4千人(主催者発表)が集まり、建白書が県民総意の意思表明だと強調。都心をデモ行進した。行進の途中、沿道から激しい批判も浴び、日本全国で基地問題の在り方を論議する難しさを浮き彫りにした。

 28日は安倍晋三首相に建白書を手渡した。首相は負担軽減に努める姿勢を示したが、その後オスプレイ追加配備や辺野古埋め立て申請提出があり、建白書の意思は反映されていない。

2 自民 辺野古容認ドミノ

 米軍普天間飛行場の返還問題で、県外移設を掲げて当選した県関係の自民党国会議員5氏が11月25日、辺野古移設を容認した。同じく県外を掲げていた自民党県連も、2日後の27日に辺野古容認に転じ、普天間問題が急展開した。

 国会議員団、県連ともに飛行場の固定化を避ける目的を強調し「辺野古を含むあらゆる可能性を排除しない」との方針で足並みをそろえた。

 県連の辺野古容認は県内首長にも影響を与え、佐喜真淳宜野湾市長、松本哲治浦添市長、儀武剛金武町長が相次いで県内移設を容認する意向を示したほか、中山義隆石垣市長も沖縄タイムスのアンケートで、移設問題の解決手法として「辺野古」を選んだ。

3 4月28日「屈辱の日」がってぃんならん

 1952年に沖縄を日本の施政権から切り離したサンフランシスコ講和条約が発効した4月28日、政府が同日を「主権回復の日」として式典を開催することに抗議する「4・28『屈辱の日』沖縄大会」が宜野湾海浜公園で開かれた。約1万人が参加。登壇者らが「沖縄は捨て石のままで主権は回復していない」と指摘し、思いを一つにした。

 採択した決議文では、講和条約の発効で沖縄は米施政権下に置かれ基本的人権が奪われたと指摘。72年の本土復帰以降も在日米軍専用施設の74%が集中し、米軍普天間飛行場へのオスプレイ配備強行、辺野古移設手続きの推進を踏まえ「県民総意を否定する国のありようは民主主義と言えるのか」と疑問を投げ掛けた。

4 米軍機事故 汚染も次々

 米軍嘉手納基地所属のHH60救難ヘリが8月5日、宜野座村のキャンプ・ハンセン内に墜落炎上した。現場はダムの近くで、汚染を懸念して今も取水停止が続く。5月28日には、やはり嘉手納のF15戦闘機が国頭村沖に墜落した。二つの機種は事故原因も不明なまま、飛行を再開している。

 嘉手納の返還地にある沖縄市サッカー場では6月13日、枯れ葉剤を製造していた米企業の名前が書かれたドラム缶が、地中から見つかった。最も強い毒性を持つダイオキシン類が検出され、その後の調査でさらにドラム缶が発見された。

5 沖縄県の女性寿命 3位に転落

 復帰後の1975年以降、1位を維持していた沖縄女性の平均寿命が2010年に3位に後退したことが2月の厚生労働省発表で分かった。男性も前回05年調査の25位から30位に順位を下げた。

 医療や行政の関係者から「330ショック」と呼ばれ、県は知事をトップに全庁態勢でつくる「健康長寿おきなわ復活推進本部」を9月に発足。40年の平均寿命全国1位奪回に向け本腰を入れる。

 「健診受診」と「肥満の解消」「適正飲酒の理解」を重点に年度内に官民一体の県民会議を立ち上げる。

6 沖縄・奄美 自然遺産登録へ

 政府は1月31日、「奄美・琉球」を世界遺産への推薦や登録の前提となる「暫定リスト」に載せることを決定した。同地域だけの固有種が分布していることや、大陸と陸続きだった時代の陸生生物が独自の進化を遂げている点などが選定基準を満たすと判断した。

 環境省は大学教授らでつくる「候補地科学委員会」を設置。具体的な候補区域を絞り込み、ユネスコ世界遺産センターへ回答する。暫定一覧表へ記載された後、保護担保措置などの準備が進めば、2016年7月ごろ、世界自然遺産登録の可否が決定する見通し。

7 「南ぬ島」石垣空港開港

 南ぬ島石垣空港が3月7日、開港した。建設計画から37年、住民念願の新空港開港に島が沸いた。

 格安航空会社(LCC)の参入や都市圏直行便の就航などで、航空運賃の低下と利便性が向上。10月までに目標の年間入域観光客数80万人を突破し、最多を更新している。滑走路は旧空港より500メートル長い2千メートルで、中型機の就航が可能。物流促進で、八重山の農水産物や特産品の販売も好調を維持する。観光シーズンの夏場は台湾便も就航。観光関係者らは通年運航を求め、外国人客の受け入れ態勢の整備を進めている。

8 白保・サキタリで大発見

 石垣市の白保竿根田原洞穴遺跡で見つかった人骨が約2万6千年前のものであることが確認され国内最古を更新したと、12月1日発表された。同遺跡の人骨は2010年に約2万年前とみられると発表されたが、それからさらに古いものであることが分かった。

 11月21日、南城市のサキタリ洞遺跡から県内最古の約8千年前の土器が出土。沖縄で土器が未確認だった空白の時期を埋める成果となった。

 考古学分野の相次ぐ発見で歴史の謎に光が当てられ、沖縄のみならず日本人のルーツ解明に期待が広がった。

9 しまくとぅば「再生元年」

 ことしをしまくとぅば再生元年と位置付け、長年独自に継承活動に取り組んできた民間9団体が「しまくとぅば連絡協議会」を結成し、学校教育に導入する取り組みを始めた。

 2006年、県条例で9月18日が「しまくとぅばの日」に制定されて以来初めて、県と県議会の共催で「しまくとぅば県民大会」が開かれた。県は、しまくとぅばが衰退すれば文化も失われるとし、普及推進計画を策定。22年度までにしまくとぅばを使う(あいさつ程度も含む)県民を今より3割増の9割にすることを目標とする。

10 優作、真美子、美香が快挙

 男子ゴルフで33歳の宮里優作(東村出身)が12月、今季最終戦の日本シリーズJTカップでツアー初優勝を飾った。自身初となる単独首位で迎えた最終日、通算13アンダーで2位に3打差で逃げ切った。賞金ランクは自己最高位の7位。

 女子では昨年のプロ試験に合格した比嘉真美子(本部町出身)がプロ10戦目のヤマハ・レディース(4月)と18戦目のリゾートトラスト・レディース(5~6月)で優勝した。宮里美香(那覇市出身)は、日本女子オープン選手権(10月)で3年ぶり2度目の優勝を果たした。

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次点 太陽の回りに虹 沖縄上空で日暈(5月2日)