少子化に伴う高齢旅行人口の増加などを背景に、誰もが安全に旅行を楽しめる「観光バリアフリー」の需要が高まっている。那覇空港内にある高齢者・障がい者のための観光案内所「沖縄バリアフリーツアーセンター」への問い合わせは、2007年11月の開所からことし10月までに約4万7千件。相談件数は年々増加傾向で、ことしも年間9千件を超える見通しだ。需要の高まりに応え、市場開拓と新たなコンテンツ創出につなげようと、県や観光事業者が社会福祉団体と連携し、受け入れ態勢の整備を進める動きが広がっている。(松田麗香)

アイマスクを着けて平和通りを歩く観光事業者=18日、那覇市

アイマスクを着けて平和通りを歩く観光事業者=18日、那覇市

 県脊髄損傷者協会(仲根建作理事長)とNPO支援団体のまちなか研究所わくわく(小阪亘理事長)は今月18日、観光事業者を対象にしたバリアフリー講座を開催。ホテルや航空会社の社員など50人以上が集まり、福祉事業者のアドバイスを受けながら車いすやアイマスク着用で公設市場をガイドするフィールドワークに参加した。

 8月に介護事業準備室を立ち上げた国際旅行社の中里のぞみさんは、高齢者向け旅行商品造成の参考にするため講座に参加。「添乗の時の注意点など細かな視点は実際に体験しなければ気付けなかった」と話した。仲根理事長によると、これまで観光バリアフリーの分野は福祉と観光業界がそれぞれ別で活動することが多く、連携が取れていなかったという。現場同士のネットワークづくりのため、リゾートホテル宿泊や離島観光などをテーマに2月まで県内4カ所で講座を開く予定だ。

 県観光振興課では昨年から、観光バリアフリー事業を展開。市場調査を兼ね、フルサービス介護や片まひ障がい者向けのゴルフ大会などを実施してきた。福祉関係者と観光事業者で構成する有識者委員会を立ち上げ誘致メニュー開発のたたき台づくりにも乗り出しており、商品化可能なモデルを探っている。

 同課の担当者は「モデル事業の商品化を目指し、沖縄を観光バリアフリーの先駆地として周知していく。2020年の東京パラリンピックを見据え、キャンプの誘致にも積極的に取り組みたい」と話している。