1950年代の米統治下で沖縄住民の権利を求めて、伊佐浜の土地闘争など抵抗運動を水面下で組織した国場幸太郎さん(1927~2008年)の活動を語るシンポジウム「『島ぐるみ闘争』はどう準備されたか」が23日、タイムスホールで開かれた。新崎盛暉(元沖縄大学学長)、森宣雄(聖トマス大学教員)、冨山一郎(同志社大学教員)、鳥山淳(沖縄国際大学教員)、新川明(ジャーナリスト)、由井晶子(同)、鹿野政直(早稲田大学名誉教授)の沖縄近現代史研究を代表する7氏が語った。米軍の基地拡大に反対する「島ぐるみ闘争」に至る活動を明らかにし、現在の「オール沖縄」の基地反対運動につなげる可能性を提起した。

故・国場幸太郎氏の足跡を中心に、沖縄の戦後を振り返るパネリスト=23日、那覇市久茂地・タイムスホール

(後日文化面で詳報)

 森・鳥山両氏編著の同名の本(不二出版)の出版を記念し開かれた。国場さんは、国場組創業者の國場幸太郎さんとは親戚。

 基調報告で鳥山さんが、「強硬な占領政策の前では現実主義が台頭するが、国場さんは占領を受け入れる現実主義とは別の道を歩んだ。痛みと誇りに満ちた経験が『島ぐるみ闘争』を準備した」と解説した。

 冨山さんは、国場さんの「民族意識の再構成」という言葉について「『民族』を運命的なものとは捉えず、既成の政党とは離れて再構成することで民衆の力を確保するプロセスとした」と分析した。

 報告を受け鹿野さんは「沖縄の思想は本土の思想とは違い命の思想に満ちている」と指摘。森さんは「沖縄が民衆が主体となった歴史を誇りを持って認識すること、その自信がオール沖縄の揺らぎを超えることになるのではないか」と話した。