子どもたちに本物の舞台芸術を見せたい-。そんな情熱を持って関係者が取り組んできた結果だろう。キジムナーフェスタ(国際児童・青少年演劇フェスティバルおきなわ)の来年度開催が危ぶまれていると先週書いたところ、多くの反響があった

 ▼25日の緊急シンポジウムでは、県内外の文化人が「今や世界中の児童演劇関係者でこのイベントを知らない人はいない」「文化芸術は究極の公共事業」と存続を求めた

 ▼「役者が玉を投げ込むしぐさをしたら、子どもたちは本物の玉が来たかのような動きで投げ返していた。感性が育っていると確信した」。そう涙声で訴えるフロアの女性もいた

 ▼文化や芸術を守り育てようと、県が10月に文化芸術振興条例を施行した折も折である。当事者である沖縄市と市議会は、対立を乗り越え再考してほしい

 ▼同市以外の主催4団体は、いまも継続の道を探っている。周辺自治体との分散開催や持ち回り開催といった手もある。火を絶やさないため、関係者が知恵を持ち寄る時だ

 ▼フェスタが始まった当初、「沖縄ってどこ?」と出演に二の足を踏む海外の劇団を、総合プロデューサーの下山久さんは「米軍機が飛び交う島です。ここを文化と芸術が行き交う島にしたい」と口説き回ったそうだ。その理念こそ、いま求められている。(鈴木実)