【宜野湾】米軍普天間飛行場の地元宜野湾市の自治会長会の宮城奈々子会長(伊佐区自治会長)は「普天間を動かしたいけど、これで本当に動くんでしょうか」と困惑を隠せない。

 返還合意から17年。日米両政府の“約束”は空手形ばかりで、米軍機は日々、頭上を飛び続ける。「本当に普天間が返還されるまでは喜べない。これからどう転ぶのかも分からない。その間に海兵隊が縮小して、グアムにでも行ってくれないか」とため息をつく。

 「何より我慢できないのは固定化。でも自分たちが嫌なものを辺野古に持って行くのかと思うと嫌な気持ちになる。何とも言えない」。胸をかきむしられる思いだ。

 普天間飛行場に近い市嘉数に住む主婦の前加良(まえから)ひとみさん(53)は、ラジオで知事の会見を聞き「アメに負けたな」と力が抜けた。

 知事は「県外」を変えていないと主張するが「承認したらどうにもならない。結局はこうなってしまうのか、と悲しくなる」と話す。

 確かに普天間返還は住民の悲願。それでも「県内に新たな基地ができるだけ」と喜びは湧いてこない。「誰かが痛みを受けることに変わりはなく、誰もが被害者になりうる。空に線は引けないのだから」