主権者である国民に選ばれた代表者が公約を実現させるための政治が「代議制民主主義」である。公約は有権者との契約であり、政治家は契約に基づく説明責任を負っている

 ▼辺野古の埋め立てにゴーサインを出した仲井真弘多知事は、17年間も県民が悩み苦しんできた重大な問題の決定過程で、まったくといっていいほど説明責任を果たしていない

 ▼埋め立て承認への条件提示ともいえる要求を沖縄政策協議会へ出した17日以降、安倍晋三首相との2度の会談を経ても、県民への説明はなかった。会見ではなく「ぶら下がり取材」で各10分程度、記者の質問に応じただけである

 ▼唐突に県民のあずかり知らない要求を掲げ、反対の声から遠ざかるように東京の病院に入院する。官邸とは連絡を取りつつも、県民は蚊帳の外

 ▼27日の記者会見では、埋め立て承認と県外移設の公約の矛盾を丁寧に説明することもなく、回答を拒んだ。その後も「おっしゃる意味が分からない」とたびたび質問をはぐらかし、厳しい追及には感情をむき出しにした。会見は県民の疑問に答える場でもあったのに、高圧的な態度ばかりが目についた

 ▼有権者と正面から向き合い、真実を伝えるのが民主主義の大本である。こんなに聞く耳を持たず、説明責任を軽んじた知事は過去にいない。(森田美奈子)