国際児童・青少年演劇フェスティバルおきなわ(キジムナーフェスタ)の存続を求めるシンポジウムが25日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれ、県内外の演劇関係者や市民らが同フェスタの意義や今後のあり方を語り合った。「沖縄県そして県民全体で支え、この国際的に誇るべき素晴らしいフェスティバルを存続することで、『文化立県』としての沖縄はさらに飛躍できると信じます」とする緊急提言がなされた。

キジムナーフェスタの存続に向けて議論したパネリストら=県立博物館・美術館

 シンポ代表発起人の杉浦幹男さんは「フェスタは沖縄市を含む5団体で主催している。今は沖縄市が予算を計上しないと決めた段階だ。他の4団体は中断を決めたわけでも沖縄市から『やめましょう』と言われたわけでもない。4団体は継続していきたいという状況だ」と説明し、建設的な議論を求めた。

 東京芸術劇場の高萩宏副館長は「演劇の国際的なフェスは継続が大変。社会の中での演劇を位置付けていくときに、舞台芸術を子どもたちに提供するのは大きい。劇場も作品をキジムナーに持っていこうと思っていた。続けてほしい」と語った。

 劇作家で演出家の平田オリザさんは「国際的評価は高まってきている。タリバン政権がバーミヤンの仏教遺跡を破壊したとき世界的な非難を浴びた。歴史遺産、文化遺産を時の政治権力が破壊したり中断するのは世界的な損失で非難される。中断は緩慢なる文化破壊だ。過去から受け継いだ遺産を発展させて未来につなぐところまでは文化政策だ」と指摘した。

 演出家でフェスタのアシスタントプロデューサーの経験もある富田めぐみさんは、フェスタ開始前に総合プロデューサーの下山久さんと世界の演劇人を訪ねた体験を語り、「下山さんは『沖縄市は基地を抱えて戦闘機が飛び交う街です。この街で文化・各国の皆さんの思いが行き交うフェスティバルを目指したい』と繰り返し語り掛けた。観客も増え、アシテジの国際会議もできた。世界の児童演劇でキジムナーを知らない人はおそらくいない。今年は400近くの上演申し込みがあったと聞いている」と成果を強調した。

 日中韓の文化大臣が合意した「東アジア文化都市」への県内自治体の立候補可能性を検討している那覇新都心通り会の添石幸伸副理事長は、海外視察の成果を報告し、「フランスのマルセイユで文化芸術によって広域的に地域が連携し、都市が再生し、教育や福祉の解決に向け一つになっている姿を見た。世界的に名の通るフェスがこんな形で消えていくのは悲しいし、ここで途絶えさせてはいけない。芸術文化の力で世界に平和を発信できる沖縄をつくれないか」と語った。

 また、事務局強化の必要性や広域開催の可能性も指摘された。

 杉浦さんは「事務局体制をみんなで支える体制が必要。50年後も残していくにはどうしたらいいのか。県全体で広域で開催できる仕組みができないか」。富田さんも「何を新しくして、何を財産として残すのか。事務局の体制をしっかり議論する。演劇人だけでなく、観客、街の皆さんなど関わるすべての人が自分たちのフェスティバルだという意識で取り組んでいけたら」と話した。

 添石副理事長も「コザの皆さまに感謝をしながら、誰のために、何のためにということを議論することが大事。もし、沖縄全体の子どもたちのために、沖縄のためにということなら、県民として盛り上げる必要がある」とした。

 フロアからは「来年も続けてほしい。希望は沖縄市でやっていただきたい」「議会のダシに使われているようで不愉快。沖縄市でやってほしいが、沖縄県内でやるなら全面的に協力する」などの発言があった。