今春からのやんばる生活は、やりたいことの半分も達成できぬまま、年の暮れを迎えた。あえて北部にいる実感を言えば、ぐっと冷えた日の那覇との気温差、そして基地問題の根深さだ

 ▼この1年、県内を駆け巡ったニュースの多くは、やんばるが舞台だった。5月にF15戦闘機が国頭村沖に、8月には宜野座村で米軍ヘリが墜落。オスプレイ追加配備、極めつけは仕事納めの、仲井真弘多知事の辺野古埋め立て承認だ

 ▼怒り心頭の辺野古の女性は、安倍晋三総理との会談後の知事の「いい正月が迎えられる」に「ドゥーチュイ(自分一人)いいソーガチやさ」と吐き捨てた。それこそ市民、県民にはこれからが正念場だ

 ▼会見での知事の言葉に、実際に基地被害と向き合う人々への気持ちはない。言外に「どうせ反対派が体と命を張って止めに入る」の思いすらにじんだ。自分の仕事を済ませ、政府と地元の攻防を高みで見物するつもりか

 ▼首相官邸にはネット上で沖縄非難も寄せられている。那覇と名護の気温差など吹き飛ぶほど大きな本土との温度差に「基地があっても豊かではない」の真実が、どうすれば伝わるのかとも悩む

 ▼もうすぐ新たな年が明ける。名護市長選を皮切りに、騒がしくなるだろう。せめて正月は穏やかに沖縄の将来を考えたい。よいお年を。(儀間多美子)