目指せ頂上決戦-。3月21日に開幕する第86回選抜高校野球大会(12日間・阪神甲子園)に、秋季九州大会を制した沖縄尚学と、同準優勝の美里工業の出場が確実視されている。沖尚は2年連続6度目(沖縄高校時代を含む)、美里工は悲願の初出場となる。

美里工業ナイン

沖縄尚学ナイン

美里工業ナイン 沖縄尚学ナイン

県から2校が出場するのは2010年に興南と嘉手納が出場して以来、4年ぶり2度目。

 九州大会決勝で大会初の沖縄県勢対決を果たした2校。明治神宮大会を制して、全国一の称号を引っ提げて挑む沖尚と、その沖尚を県大会決勝で破り、九州大会でも敗れはしたが十分に苦しめた美里工の実力も本物だ。県民の期待は聖地での夢の頂上対決だ。2校のナインが大舞台を駆け巡る球春が早くも待ち遠しい。ダブルで朗報が届くであろう出場校選考委員会は24日に行われる。

県王者・美里工業 投打に厚み

 美里工が誇る二枚看板の伊波友和と長嶺飛翔。県王者として挑んだ42季ぶりの九州大会では、ともにチームを救う好投で、初の決勝進出の原動力となった。県大会に続き沖尚との再戦となった決勝では惜敗したが、両右腕の活躍は、春へ期待を抱かせた。

 178センチで最速142キロの伊波は、春の選抜までにさらなる球速アップを目指し、肉体改造にも着手する。「一昨年冬に走り込みを徹底したことで、下半身が安定し、昨夏以降の好結果につながった」と、体をいじめぬく大切さを実感した。「柔軟性を高めて、大きなフォームで投げ込めるようにしたい」と可動域を広くすべく、ストレッチにも余念がない。

  伊波に比べ、体格で劣る長嶺は制球力で勝負してきた。寡黙な男が「自信がある」と胸を張るのがスライダー。キレのある変化球を武器に、絶妙の配球で打者を打ち取ってきた。「低めに球を集めることが大事。自分にとってコントロールが生命線」と自覚し、現在は新種の変化球習得に取り組んでいる。

 九州大会で低調だった打線は猛打復活へ士気を高める。九州大会決勝で3安打と気を吐いた宮城諒大は「逆らわないバッティングで、ランナーをかえしたい」と自らの役目を自覚。不動の4番に座った花城航は「早いカウントから積極的にいく」と意気込む。

 平日7時間、土日には12時間を超える猛練習をこなす。投打の主役が役割を果たせば、紫紺の優勝旗に手が届く。(花城克俊)

勝ち抜く鍵は機動力 美里工・神谷嘉宗監督

 九州大会決勝で沖縄尚学と激闘を繰り広げ、敗れはしたが初の選抜出場を確実にした美里工業。神谷嘉宗監督は「選抜ではミスが勝負の行方を左右する。堅実なプレーをして、投打のバランスを保つことが大事」と2008年に浦添商業を率いて夏の甲子園で4強入りした経験を踏まえる。

 監督として自身2度目の甲子園を前に指揮官が重視するのが走塁。「打撃は好不調の波があるが、走塁はある程度は計算ができる。大会本番までに進塁の精度を上げたい。今が一番伸びるチャンス」と選手らを徹底的に走り込ませるとともに、走塁技術のレベルアップを図るつもりだ。

 「気負わず平常心で臨めるようにしたい」と春の大舞台へ気を引き締めた。

神宮王者・沖尚 慢心なし

 秋季九州大会で2連覇を果たし、その勢いで県勢初の明治神宮大会優勝を飾った沖縄尚学ナイン。2年連続の選抜出場そして、同校初となる3季連続の甲子園はほぼ間違いなしだ。

 エース山城大智の快投に引っ張られるように打線が奮起し、勝ち上がった九州大会。神宮大会では山城がつかまる場面もあったが、打線が終盤に畳み掛けるしぶとさをみせた。8点差を逆転した決勝は圧巻だった。

 全国一に輝いたもののナインに浮かれた様子はみじんもない。エース山城は、神宮大会決勝で自身初の本塁打を浴び、「直球も変化球も質を上げることが課題。フォームをもっと安定させることを心掛けたい」と、大舞台までに体をいじめ抜くつもりだ。

 打線のリードオフマン、赤嶺謙主将は「選抜でもチャレンジャーの気持ちで自分たちの野球をやり、優勝を目指したい」と神宮大会同様に一戦必勝を心掛ける。特にナインが課題と受け止める守備でのミスを減らすため、基本の徹底を図る。

 「大事なところで抑えられるようにしたい」とレベルアップを目指すのは、神宮大会で2番手投手として台頭した久保柊人。打の勝負強さも武器で「昨年大会は4打数無安打だった。ヒットを打ってチームの勝利に貢献したい」とリベンジを誓う。

 選抜大会の優勝に全国で最も近い位置にいるのが沖尚ナインだ。県民期待の同校3度目のVに向けてまい進する。(石川亮太)

全国経験 最大の強み 沖尚・比嘉公也監督

 明治神宮大会を制し、優勝候補筆頭として選抜大会に挑むことになる沖縄尚学。比嘉公也監督は「神宮で勝ったからといって次も勝てるとは思わない。冬を乗り越えて、心技体を充実させてくるチームとの対戦になる。うちも走攻守、全ての面でレベルアップを図りたい」と、全国一を胸に抜かりはない。「3季連続になるので結果を出さないといけない。優勝を目指す中で一つでも多く勝ちたい」と意気込む。

 チームの強みは何といっても大舞台の経験値。一つ上の世代が甲子園の春夏連続出場、明治神宮大会、九州大会などで強豪と対戦。そのメンバーだった選手が多く残る。最大の武器を生かすために、冬場で心身をさらに鍛え上げるつもりだ。