米軍普天間飛行場移設問題をめぐり、代替施設建設が予定される名護市の市長選が12日告示、19日投開票の日程で実施される。昨年末の仲井真弘多知事による名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認で勢いづく自民党は、安倍政権を後押しして移設推進派を全面支援する。表立った党幹部の大量投入は地元の反発を招きかねないジレンマも抱える。

名護市長選の構図

 市長選は移設に反対する現職の稲嶺進市長(68)と推進派の前自民党県議、末松文信氏(65)による一騎打ちの構図。「勝っても負けても僅差」(自民党選対幹部)と、激戦が予想される。市長に移設工事を止める法的権限はないものの、稲嶺氏が再選すれば、政府は地元自治体の反対を押し切る形で工事を進めなければならない。

 自民党は、出馬表明していた島袋吉和前市長を説き伏せて移設推進派を末松氏に一本化した。近く高市早苗政調会長が現地に入り、関係団体に地元振興策を説明する予定だ。選挙戦が移設問題一色となるのを避け、経済活性化を前面に出す。

 現地で遊説日程が固まっている国会議員は、小泉進次郎復興政務官ら少数にとどまる。「党幹部が連日乗り込めば政府が沖縄に移設推進を押し付けるイメージが強まり、反感を買う」(党幹部)との懸念があるためだ。

 公明党は、党本部が辺野古移設に賛成し、県本部が「県外」を掲げるねじれ状態が続く。党幹部は「地方組織を抑えつけることはできない」として、自主投票もあり得ると指摘する。

 野党側は、共産党や生活の党、社民党が稲嶺氏を支援する。前回2010年の市長選で稲嶺氏を支援した民主党は、今回は自主投票とする方針を決めた。