お正月から暖かい日が続き、やんばるでも行楽地を訪れる観光客や初詣に向かう家族連れの姿が目立った。だが昨年末はかなり冷えこみ、国頭村奥では気温8度まで下がった日も。寒さが身に染みた▼年明けの4日、同村安波区を訪ねた。元日から社会面で連載している「基地を止めた」の取材のためだ。米軍ハリアーパッドの建設を区民総出で阻止した経緯を聞き、住民がテントを張った安波ダム近辺を案内してもらった▼幸いその日は暖かかったが、27年前、テントに座り込み基地反対を訴えた人々は、身も凍えたに違いない。現場を歩きながら、そこまでせざるを得なかった区民の怒りに思いをはせた▼連載は、繰り返される県民の闘いの歴史を伝えている。命、くらし、家族や自然。それぞれ大切なものを守るため、やむにやまれず米軍や政府とぶつかってきたウチナーンチュの姿だ▼警棒を手に険しい形相で威嚇する米兵と、立ち向かう人々の写真には、先ほどまで畑作業に汗を流していたかのような手ぬぐい姿の女性も写る。知らぬ間の基地建設を、どうしても許せなかったのだろう▼住民の頭越しに基地を押し付ける日米政府への不信感は今も消えていない。だが負のパワーは時に人々を疲弊もさせる。もう闘わずにすむ日々が、いつか来ると信じたい。(儀間多美子)