県警が耳や言葉の不自由な人から電子機器で受け付けた緊急通報「110番」の件数は、2008年から13年までの6年間ではメール11件、ファクス4件だった。運用が始まって約20年。聴覚障がい者らは「知っているだけで安心につながる」と広く知らせるよう要望。県警は普及活動を進めるとともに、通報内容を迅速に把握する施策などの検討を始めている。10日は「110番の日」。(上地一姫)

連絡先と「盗難にあった」という要件を書いてファクス110番を試す我如古順子さん(左端)=9日、うるま市健康福祉センター

 9日、うるま市でファクス110番の模擬体験会があった。うるま署の上門剛巡査部長が、聴覚に障がいがある我如古和之さん(48)、順子さん(同)夫妻に通報方法を尋ねられたことがきっかけ。順子さんは「家の外に不審者がいるときなどは対応に困っていた。ファクスで通報できると知っただけで安心につながる」と喜んだ。

 娘に頼み110番通報した経験がある同市障がい者福祉協会の大城秀文聴覚部会長は「番号やアドレスの認知度は高くないと思う。番号を簡略化したり、事故や犯罪が一目で分かる絵などが描かれた紙などがあれば、より使い勝手が良くなる」と語った。

 県警は1993年11月にファクス、2003年には外出先でも通報できるようメールでの受信端末を設置した。沖縄ろう学校で通報訓練し、県聴覚障害者協会や行政などを通してアドレスを知らせている。

 番号やアドレスは各都道府県警で異なる。全日本ろうあ連盟は「旅先で事件や事故に遭うと通報が遅れる。全国で統一にしてほしい」と要望。緊急時や夜間には手話通訳者や要約筆記者を派遣するなど、警察との対応訓練も求めている。

 県警通信指令課は「電話で一報と位置情報を把握し、詳細はファクスやメールで確認するなど正確で素早く通報を受ける方法を考えたい」と情報通信技術の進歩に合わせ改善に取り組んでいる。

 ファクス110番は、県内からの場合は市外局番なしの(862)8110。