保守同士の対立は選挙のしこりや内部の権力闘争から始まる。ときには組織分裂に至る

▼1990年の知事選は衆院選での自民党内の反発が響き、現職落選につながった。1990年代は自民から一部が離党、新進党を結成。2000年代からは自公と反自公でしのぎをけずった

▼自民党県連は、仲井真弘多知事の埋め立て承認に抗議する意見書に賛成した県連所属の那覇市議団の処分を検討している。処分が出た場合、市議団は集団離党も辞さない構え。基地問題が、保守対立の要因になるのはほとんど例がない

▼意見書の内容が米軍普天間飛行場の辺野古移設を容認する県連の方針に反するというのが処分を求める意見だ。だが、1カ月余り前までは県連も県外移設を主張していた。市議団への処分はわが身を罰するようなもので、天に唾する行為でしかない

▼那覇市議は「県都の代表」という自負が強く、国会議員も県議にも「何するものぞ」という気風がある。保守系無所属だった多くが自民公認で立候補したのは2005年市議選から。県連の組織強化が目的であった

▼市議団の主張には、県外移設を訴える翁長雄志市長の考えが反映している。県民世論と公約堅持という正論を訴える市議団の処分は、翁長氏を中心にした政界再編の引き金になりかねない。(与那原良彦)