1996年に米軍普天間飛行場の移設問題が浮上して以来、5度目となる名護市長選が12日告示、19日投開票される。出馬を表明する現職の稲嶺進氏(68)と、前県議の末松文信氏(65)は、島袋吉和前市長が移設のV字案に合意した2006年4月当時、市の三役を担っていた。あれから8年。両氏は「反対」と「推進」の立場に分かれ、主張を対立させる。

 両氏は移設を受け入れた市長3代にわたり、市政に携わってきた。

 末松氏は比嘉鉄也元市長のときに市役所入りし、企画部長にまで登用された。稲嶺氏は総務部長として海上ヘリ基地建設の是非を問う市民投票条例案の作成に従事。岸本建男元市長の下で2人は、条件付き移設容認の文案作成にも関わった。

 末松氏は、島袋吉和前市長時代に、副市長としてV字案合意のために官邸へ同行。合意後、安全性向上や騒音軽減などのため沖合移動を要求した。

 教育長だった稲嶺氏は、移設に向けたキャンプ・シュワブ内の文化財調査で、反対派市民の声にも耳を傾けるため勉強会を開催。調査結果の中立性を保つため、国の援助を受けずに市教委予算をやりくりした。

 「辺野古の海にも陸にも新しい基地は造らせない」。10年1月、稲嶺氏は市長選に立候補。当選後も一貫して、新基地建設に反対の姿勢を貫き続ける。「基地に頼らなくてもまちづくりはできる」と1期目の実績をPRし、再選を目指す。

 一方、末松氏は県議選では移設の考えを「保留」としていたものの、昨年末の野党保守系の一本化と、仲井真弘多知事の辺野古埋め立て承認を受けて「積極的推進」にかじを切った。「国、県と連携し、再編交付金などを活用したまちづくりを進めたい」と訴える。