県議会は10日、臨時会本会議で「仲井真弘多知事の公約違反に抗議し、辞任を求める決議」を賛成多数で可決した。知事の辞任要求が決議されるのは県議会史上初めてである。法的な拘束力がないとはいえ、議会が「ノー」を突きつけた意味は極めて重い。知事は重大に受け止めるべきだ。

 県議会が開かれるのは、昨年末、知事が米軍普天間飛行場移設に向けた辺野古埋め立て申請を承認して以来初めて。本会議では、知事の辞任要求決議とともに「普天間飛行場の閉鎖・撤去と辺野古移設断念を求める意見書」が賛成多数で可決された。

 このことは、沖縄の多数意思が依然として普天間の辺野古移設に反対であることを示している。

 意見書では、知事を支える与党の公明党も賛成に回った。仲井真県政を支える与党の一角から辺野古移設断念を求める意見が上がったことは、県の今後の基地行政にも大きな影響を与えずにはおかないだろう。

 辞任要求決議は、知事が辺野古埋め立てを承認したことについて「公約違反であり、県議会が全会一致で求めてきた『県内移設反対、普天間基地は国外・県外移設』とする決議を決定的に踏みにじるものである」と強く非難した。

 知事が埋め立て承認をしながら「公約を変えていない」と開き直っていることについても「不誠実の極みで県民への冒涜(ぼうとく)というほかない」と強い調子で批判した。

 9日の県議会での説明からは、承認理由や公約との整合性について県民に説明責任を果たそうとする姿勢はみられなかった。疑問は深まるばかりである。

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 知事は安倍晋三首相との会談で「140万県民を代表して感謝する」などと謝意を述べ、県民の大きな反発をかった。これに那覇市議会が抗議の意見書を可決したが、県議会の決議でも「屈辱的で、県民に大きな失望と苦痛を与えた」と断じた。

 知事が安倍首相に対して謝意を表したのは、知事一個人の判断であって、決して沖縄の多数意思を反映したものではないことを、県議会や那覇市議会の保守系議員も指摘したのである。

 昨年1月に全41市町村長と議会議長らが署名した県民総意の「建白書」に込めた決意を否定し、県民の中に対立を持ち込むものであるなどとして、決議は、仲井真知事に辞任して県民に信を問うよう求めている。

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 県議会の知事辞任要求決議は、埋め立て承認に至る不透明な政策決定と、その後の知事の説明責任を十分に果たさない姿勢に対する抗議である。要請書作成の経緯や官邸との水面下の調整、埋め立て承認に当たっての環境保全対策などは、まったくといっていいほど真相が明らかにされていない。

 昨年12月27日の記者会見や9日の県議会で浮き彫りになったのは、「独走」と批判されても仕方のないような知事の対応である。県民が抱いている数々の疑問を丁寧に説明する義務がある。闇に葬ってはならない。