本紙くらし面の女性の投稿欄「くさぐさ」は、60年近く続く人気のコーナーである。400字という限られた文字の中に、子育ての喜び、平和への願い、社会への怒りなど「生活の詩」がつづられている

▼暮らしの場から発信される、庶民史ともいえる声に光を当てようと「くさぐさ賞」を設けた。昨年一年間の掲載分から選んだのは漢那洋子さん(64)の「バアバ、いつ死ぬの?」

▼人間の誕生と死は両極端にありながら、つながっていると話す6歳の男の子。死が自然の摂理であることを知り〈バアバ、いつ死ぬの〉と心配する4歳児。孫たちとのさりげない会話から、命をつなぐ意味について記す

▼孫育てに忙しい漢那さん。うれしいことや思いがけない発見があると、すぐにチラシの裏に書きとどめるという。それを子どもからのお下がりの辞書を引きながら丁寧に清書する

▼くさぐさがスタートしたのは1955年の大みそか。島ぐるみ闘争に向かって沖縄の戦後史が大きく動きだそうとしていたころだった。厳しい時代、古い慣習が残る社会で、書くことは問題を共有することにもつながった

▼草々(くさぐさ)が萌(も)え出づるように、女性たちが発言していく場を育てていこうと命名したそうだ。伸び伸びとしなやかに、踏まれても立ち上がる草であり続けたい。(森田美奈子)