県花卉(かき)園芸農業協同組合(花卉農協、宮城重志組合長)とJAおきなわ(砂川博紀理事長)は小菊の色バランスが崩れて、市場価格が落ち込む事態を避けるため、色を調整する取り組みを始めている。彼岸や正月用の飾り花として需要が高い小菊は、黄色と白、赤の3色をほぼ同量で出荷することが市場から求められており、3色がそろわないと安値で取引される。不足した場合には輸入花で代替され、県産小菊のシェアを奪われるため、両団体で各色の生産バランスを調整して価格安定につなげる。(仲田佳史)

正月用の飾り花として、県外に出荷される県産菊などを積み込む作業員=2013年12月17日、那覇空港貨物ターミナルビル

 昨年春の彼岸では、台風被害で一昨年の秋口に小菊を出荷できなかった生産農家が例年より早い2月下旬から大量に出荷。黄色と白が市場にあふれ、競り価格が例年より約3割落ち込んだ。急きょ、花卉農協とJAおきなわで品質の低い菊の出荷を抑制し、価格を元に戻した。今後も同じ事態が起こるのを避けるため、昨年12月の正月用の出荷から色の調整を進めている。

 今回の取り組みを受け、県園芸振興課は両団体が定期的に懇談する場をつくる方針だ。同課の担当者は「生産を安定させるため実務者だけでなく組合長レベルでも話せる場にしていく。将来的には生産の長期計画を作成したい」と話す。

 一方、県産菊は輸入花との厳しいシェア争いにさらされており、花卉農協は全国の産地との連携も進める。暖房を入れて栽培しなければならない県外と比べ、県産は生産コストで優位に立てる冬春期の出荷が多い。だが、秋口の台風被害で生産が落ち込み、3色のうち1色でも生産が落ち込めばマレーシアやベトナム産のスプレー菊や、中国産の白大菊などの輸入花に代替されるため、シェアを奪われるきっかけにつながるという。

 価格面で優位な輸入花に市場を席巻される事態を回避するため、花卉農協は昨年8月、夏場に出荷する岩手や秋田、福島など東北の出荷団体と産地リレーを順調につなぐための意見交換会を実施。小菊の栽培では全国でも沖縄だけで実施している、開花時期を調整する「電照栽培」の技術を学びに訪れる各県の出荷団体を受け入れ、ノウハウの共有を進めている。

 花卉農協の園田茂行販売部長は「国際競争の中で勝つには県内だけでは駄目。全国レベルでシェアを守っていきたい」と意気込んだ。