【名護市長選取材班】19日投開票の名護市長選は、新人で前県議の末松文信氏(65)と、2期目を目指す現職の稲嶺進氏(68)の一騎打ちとなり、両選対による街宣活動や地域回りなどの選挙運動が激しさを増している。末松選対は地域回りを中心とした支持拡大や浮動票獲得を目指し、稲嶺選対は前回の票固めに加え、保守層の切り崩しを狙う。

知名度増へ総動員 末松氏陣営
公明・女性票獲得に力

 末松選対は「足で稼ぐ」選挙を展開。新人の知名度不足の払拭(ふっしょく)に向け、女性部や支持者によるローラー作戦を進め、末松氏本人が市議らとともに地域や企業を細かく回る。地縁血縁を生かし、支持拡大を目指す。

 選対本部長には島袋吉和前市長が就任。島袋氏もマイクを握り、昨年末まで難航した一本化による出遅れの取り戻しを図る。

 自民党のパイプもフル活用。9日の総決起大会では小泉進次郎復興政務官が壇上から支持を呼び掛けたほか、仲井真弘多知事は告示日の12日と、13日の2日連続で名護入りし、訴えた。

 自民党の国会議員や県内の市町村長らも、市内で企業回りや街頭演説に力を入れる。北部地域の保守系の町村長や議員らと連携し、市内の郷友会へ支持を呼び掛ける。

 屋部地域や屋我地地域、久辺3区で勢いがある。革新地盤とされる羽地地域の切り崩しや、浮動票が多く大票田の市街地からの得票を目指す。一方で、自主投票を決めた公明党の支持層からの集票や、女性票の獲得などが課題だ。

 投票率は前回の76・96%前後を想定。1万7千票を当選ラインとみている。

保守層崩しに全力 稲嶺氏陣営
建設票流出対策が鍵

 稲嶺選対は、市議会与党会派の市議15人や後援会を中心に、“市民党”的な選挙態勢で運動を展開する。

 推薦を受けた社民、共産、社大、生活4政党を中心に前回の票を固め、元自民党県連顧問で元県議会議長の仲里利信氏や、かりゆしグループCEOの平良朝敬氏などの支援を追い風に、新たな層の掘り起こしを目指す。

 福島瑞穂社民党副党首ら国会議員が名護入りし、支持を呼び掛ける。

 稲嶺氏本人も積極的に企業や地域を回り、支持拡大を目指す。出身地・三原区のある二見以北地域や、自宅のある大北区、羽地地域の票を確実に固め、大票田の市街地からの集票を狙う。課題は、振興策に期待する、前回獲得した建設関連企業の票の流出対策だ。

 最大の争点の辺野古移設が「反対」「推進」と鮮明化し、賛否が問われることで、投票率は前回より上がると予想。

 一方で、仲井真知事による埋め立て承認で、市民に「諦め感」が広がり、投票率が下がることも懸念する。

 前回の票差1588票以上をつける勝利を目指し、日米両政府に新たな基地建設反対の民意を突き付けたい考えだ。