原発問題が最大の争点としてせり出してきそうだ。

 猪瀬直樹氏の辞任に伴う東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)で、細川護熙元首相(76)は14日、小泉純一郎元首相(71)と会談した。両氏が連携して都知事選を戦うことで合意し、細川氏は立候補を表明した。

 東京電力福島第1原発事故後、両氏は「脱原発」の姿勢を鮮明にしている。首相にまで上り詰めた両氏によって原発問題が最大の争点になれば選挙結果いかんでは安倍政権の原発政策に大きな影響を与えずにはおかないであろう。

 細川氏は会談後、「国の存亡に関わる危機感を持っている」と立候補の理由を述べた。小泉氏は「東京が原発なしでやっていける姿を見せれば、必ず国を変えることができる」と歩調を合わせた。

 細川氏は2012年1月号の月刊誌のインタビューで、「脱原発」に「改宗」したことを宣言している。

 この中で細川氏は原発の被害は「われわれが生きている間には解決しないし、また事故があったら日本は終わってしまう」「地震国・日本に54基もの原発があるということは、われわれは逃げ場がない」と脱原発に踏み出す時であることを強調している。

 安倍政権は原発の再稼働を推進し、原発への回帰がはっきりしている。海外を飛び回り、輸出にも積極的だ。

 昨年7月に実施された参院選以来、今後約2年半は国政選挙がないことを考えると、原発を推し進める安倍政権に対する審判にもなりそうだ。

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 一方小泉氏の転換は昨年8月にフィンランドを視察したことが決定的になった。核のごみを無害化するのに10万年という途方もない時間がかかることを知らされたからだ。「放射性廃棄物の最終処分場もないのに原発を進めるのは無責任だ」と主張は明快だ。

 小泉氏は「首相が決断すればできる」と安倍晋三首相に「即原発ゼロ」を決断するよう求めている。

 安倍首相は小泉政権時代の官房長官を務め、小泉氏は政治の師といっていいが、原発政策では正反対である。

 細川、小泉両氏に共通しているのは、福島第1原発事故前までは原発を容認する立場だったということだ。

 細川氏は「不勉強だったが故に、さして疑問も抱かぬままに容認してきた」と語り、小泉氏は「当時は政治家もみんな信じていたんだよ。原発はクリーンで安いって」と、「安全神話」に陥っていたことを月刊誌で明かしている。

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 自民党の石破茂幹事長は原発政策は「一義的に国政の課題だ」と発言している。東京都は電力の最大消費地であり、東京電力の主要株主でもある。原発事故の際、政府は「首都圏3000万人避難」という最悪の事態を想定していた。無関係どころか、当事者だ。石破氏は米軍普天間飛行場の辺野古移設問題でも「基地の場所は政府が決めるものだ」と言っている。

 米軍基地や原発問題を国の専管事項と称して地域の声を封じ込め、ごり押しするのは、民主政治を否定するものと言わざるを得ない。