自民党の石破茂幹事長は16日、名護市内で演説し、名護市に特化した振興活性事業として500億円の「名護振興基金」の創設を検討していることを明らかにした。19日投開票の名護市長選に立候補している前県議の末松文信氏の応援演説などで述べた。現職の稲嶺進氏が当選した場合も基金を創設するかどうかは、回答を避けた。

 一方、菅義偉官房長官は16日夕の記者会見で、政府がすでに方針を打ち出した北部振興事業費など、既存政策の範囲内での対応にとどまるとの認識を示した。

 石破氏は「(末松氏の政策である)スエマツビジョン実現の財源として、500億円の名護振興基金の実現を図る。国、県、市が分担し、基幹病院の整備や交通網の整備などに活用したい」と説明した。

 これに対し、菅氏は「新しくではなく、政府として北部振興事業で2021年度までの8年間、(年度ごとに)50億円を確保すると約束している。(加えて)沖縄の一括交付金として100億円程度が北部所在の市町村に配分されている」と述べ、既存政策の衣替えで対応する考えを示した。

 ただ、北部振興事業費は名護市を含む北部12市町村が活用する予算であり、名護市に特化した財源とする説明には他市町村から批判が起きる可能性もある。

 また、一括交付金の北部12市町村への配分額もこれまで数十億円にとどまっている。

 石破氏の構想を末松氏は「誠にありがたい。私の政策実現に向けた財源の裏づけになる」と歓迎。稲嶺氏は「振興策や基金をちらつかせて市民の気を引こうとしており、金権政治そのものだ」と批判した。