東京電力は16日、政府による追加的な汚染水対策が動き始めた福島第1・第2原発の状況を、沖縄タイムスなど日本記者クラブ加盟の報道機関に公開した。国費による追加的汚染水対策が始まる一方、高い放射線量に阻まれ、いつ原発事故全体が収束するかの見通しは依然立っていない。(前田高敬)

福島第1原発で、塗装により止水対策を施したせき内に立ち入る福島県廃炉安全監視協議会のメンバーら=16日午後(代表撮影)

 昨年相次いだ汚染水漏れのため、政府は昨年12月に一部国費を投入して汚染水対策を進める方針を策定。第1原発構内では、タンクをボルトで締める「フランジ型」より汚染水が漏れにくい「溶接型」タンクが次々設置されていた。

 汚染水から核物質を除去する浄化装置も増設に向けた実験が進み、今秋にも見込まれる稼働が実現すれば、転換は大きく前進するという。

 一方で、高い放射線量が対策を遅らせている場所もある。

 炉心が溶けた1~3号機の原子炉建屋前では、手元の線量計で毎時200マイクロシーベルト超を示すアラームが鳴りっぱなしに。東電によると同600マイクロシーベルトを示す場所もあった。

 原子炉冷却や汚染水対策など目先の問題に追われたせいもあり、4号機のタービン建屋前には作業用車両が数両、震災直後の姿のまま放置されていた。

 東電は16日、廃炉に向けた第1原発の燃料取り出し作業で、4号機の使用済み燃料プールから同日現在で1533体のうち176体の燃料を取り出し、近くの供用プールへ移送したことを明らかにした。

 3号機でも遠隔操作の重機が設置されるなど、取り出しの準備が進む。だが「汚染水の発生源」である溶けた核燃料取り出しにいつ着手できるのかは、まだ見通せない。