医師「今日はどのような症状でお困りですか?」

 患者Aさん「しーべーぬちょろちょろしかいじらん、ひるんゆるんしーべーぬうふくなとーん(おしっこがちょろちょろしか出ないようになり、昼も夜もおしっこの回数が多くなっています)」

 Aさんはさらに、おしっこをもよおすと我慢ができないし、済んでもすっきりせず残ると訴えています。このような排尿症状を訴えて受診する高齢の男性患者さんに多い病気に、前立腺肥大症があります。膀胱(ぼうこう)の近くにあり尿道を取り囲んでいる前立腺が、加齢とともに大きくなり、次第に尿道を圧迫して排尿症状を引き起こす病気です。

 症状としては、尿の勢いが低下する・残尿感(排出障害)、日中や夜間の頻尿・尿意をもよおすと我慢ができない(蓄尿障害)等があります。

 治療は、まず薬物療法を開始するのが一般的でしょう。薬物療法を行っても症状が改善しない、排尿後の残尿が多い、尿閉(全く尿が出ない状態)の場合には手術療法を検討します。

 手術にはいくつかの方法がありますが、ここでは一般的に多く行われる内視鏡手術について説明します。前立腺を“みかん”に例えると、手術はちょうどみかんの実の部分(内腺)を取り除くことにより、圧迫を受けていた尿道をひろげるようなイメージとなります(イラスト参照)。標準的には電気メスを用いた経尿道的前立腺切除術(TUR-P、ティーユーアールピー)が多く行われ、最近では、レーザーを用いた「ホーレップ」という新しい手術も普及してきました。ホーレップの利点は、出血が少ない、TUR反応(低ナトリウム血症)が起こらない、大きな前立腺でも安全に手術が可能、術後尿道カテーテル留置期間や入院期間が短いことです。いずれの手術法を選択するとしても、治療効果や合併症について主治医とよく相談し、納得した上で治療を受けることが大切です。

 さて、冒頭に登場したAさんは最終的に手術を受けました。

 医師「Aさん。手術後○カ月たちましたが、おしっこの具合はどうですか?」

 患者Aさん「なまー わかさるじぶんぬぐとぅしーべーぬいんじーぬぐとぅなとーん にじーぬぐとぅんなてぃ いっぺーじょうとうなとぅーびぃんどぉー(今は若い頃のようにおしっこの勢いもあるし、我慢もできるようになって非常に上等になっていますよー)」(新里博・中頭病院)