名護市長選の稲嶺進さんの大差での再選を、20日付の東京発行の各紙は、軒並み1面や社会面のトップニュースで扱い、全国的な関心の高さを示した。有権者の投票行動や一票への思い、政府反応、普天間辺野古移設をめぐる歴史など、関連記事を数ページにわたり多角的に報じた。

 朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、東京新聞は1面や社会面で稲嶺さんや支持者の喜びの写真を使い、トップ記事で掲載した。

 朝日、毎日は「稲嶺氏埋め立て協力拒否」「普天間移設混迷」などの見出しで、争点となった普天間飛行場の辺野古移設の険しい見通しを報じた。

 示された民意を見ぬふりして、移設推進する政府の反応も紹介。一方で工事計画の遅れが避けられないことなども指摘。社会面では「国の振興策にノー」「押しつけ名護拒む」などと有権者の思いを紹介した。

 東京は「基地は不要 沖縄の民意」という見出しの解説記事など大々的に扱った。2、3面も見開きで出口調査や政党の反応を掲載し、社説も「『辺野古』強行は許されぬ」と訴えた。

 読売は稲嶺さんの再選を伝える一方、政府の工事着工方針を報じた。「地方選を悪用するな」との評論で、国政の課題を首長選挙で問うことに疑問を呈した。

 産経新聞は1面の2番手で「反対派・稲嶺氏が再選」と報じた。2、3面では移設の遅れを懸念しながら、政府の実現に向けた意思を紹介した。

米紙「安倍首相へ打撃」指摘

 【平安名純代・米国特約記者】名護市長選で稲嶺進氏が再選を果たした翌19日(米国時間)、米主要大手紙は稲嶺氏の勝利で名護市民の移設反対の意思が明確に示されたなどと報じた。

 米軍準機関紙「星条旗新聞」は、「再選市長、普天間移設計画との闘いを誓う」との見出しで、「辺野古の海にも陸にも基地を造らせない」との公約を掲げた稲嶺氏の勝利を報じた。

 米紙ニューヨーク・タイムズは東京発で、辺野古推進派候補の勝利を念頭に名護振興策などを打ち出した安倍首相に「面目を欠如させる打撃を与えた」と指摘。「子供たちの未来を守るために新基地建設は容認しない」と訴えた稲嶺氏の勝利を支援者らは祝福し、稲嶺氏は「基地建設に必要な港湾や道路の使用を許可しないだろう」と報じた。

 ワシントン・ポストはAP通信の東京発で、仲井真弘多知事の辺野古埋め立て申請承認の取り消しを求め、住民らが県を提訴した点などを指摘した。英紙ガーディアンは、安倍政権が辺野古移設を進めると明言している点について「選挙結果が自民党をより困難な情勢へ追い込んだ」とし「移設を強行すれば沖縄の怒りを誘発し、移設計画が再び遅延すれば、米国の怒りを買うことになる」と分析した。