【うるま】がんと闘って10年目になるうるま市の上元守夫さん(68)が市みどり町のギャラリー「ローズの香」で水彩画展を開いている。2004年に発病以来、生きがいを求めてキャンバスに向かっており、個展は6回目。29日まで。入場無料。

勝連半島を描いた作品「浜」は上元さんのお気に入り。案内のはがきにも採用した=うるま市みどり町・ローズの香

 上元さんは昨年4月、抗がん剤治療の副作用で間質性肺炎を起こして緊急入院。人工呼吸器の装着も想定された状況で25日間入院した。その後持ち直して夏から作品に取りかかり、今回展示する新作39点の完成にこぎつけた。

 今でも腹膜にがんが残るため2週間に1回、抗がん剤を注射。筋力回復のために週2回リハビリにも通う。体調が良いときに、自身で車を運転して本島北部や中部を回り、小道に入ってイメージに合う風景を探し、気に入った構図をカメラで撮影、自宅で絵筆を握った。

 作品は主に風景画で今回、「ポイントをしっかり描きたい」と重ね塗りを多用。絵の具も作品1点につき7種類に限定し、水の混ぜ加減も含めてさまざまな色を作ったほか、水墨画の技法を参考に粗塩などを使って微妙な風合いを表現した。「組み合わせでどんな色が生まれるか、わくわく感がある」という。

 上元さんは発症前、放射線技師として県立病院に勤め、がん患者と接点があったが「自分ががんにかかるとは思わなかった」という。絵を始めたきっかけは「やりがい」を見つけるため。「入院中のベッドの上でどんな絵を描こうかと考え、病気から意識をそらす」と自身をコントロールしている。

 07年から続ける個展は上元さんの存在とともに広く知られるようになった。妻の吉子さん(72)は「同じ病と闘う患者さんも多く来てくれる。作品展は夫を元気づけるが、同じ病気の人が『自分も頑張りたい』と言ってくれることでまた励みになる」と話した。

 展示は木曜日を除き午前10時から午後8時。夫婦は来場者に対応しようと毎日ギャラリーに足を運ぶ。問い合わせは同ギャラリー、電話098(972)7300。