新人のころ記事は1行あたり1分で書けと教えられた。1行12字なので15分で180字。ところが伊平屋小学校の6年生は、同じ時間で200~400字の記事の感想や意見を書いてしまう。単純には比べられないが、参ったなあ

▼15歳の春、子どもたちは島から出て行く。それまでに生きる力を身に付けてほしいと、教員たちが選んだ教材は新聞だった。18日、那覇市で開かれた公開授業に目を見張った

▼名護市長選、次世代乗用車…。一人一人が気になったニュースを仲間に紹介する。「エチオピアの難民の記事は国と国の助け合いだから一番大事」「新成人の騒ぎの事件は身近な話題だから2位」。選んだ記事に順位を付ける場面でも活発なやりとりが続いた

▼恥ずかしがりで自分の考えをうまく伝えられないことが島の子どもたちの課題だったという。しかし、堂々と意見を発表するこの日の姿はどうだろう

▼記事の読み聞かせに始まり、お気に入りの写真や記事を紹介したり、短いコメントを書いたり、親と意見を交換したりといった取り組みを重ね、2年足らずで子どもの思考力と表現力を育てた

▼「初めは2、3行しか書けなかったけど、繰り返すうちに速く書けるようになりました」と男の子が笑った。ちなみに筆者がこの原稿に費やした時間は3時間半。いやはや。(具志堅学)