聴覚に障がいのある20代から60代の人でつくる「琉球聾(ろう)太鼓」が結成2年目を迎えた。メンバーの個性を生かした曲を作り、イベントへの出演を重ね完成度が増してきた。太鼓の振動を体で感じ取り、聴く人の心を揺さぶりたい-。新年度からは県立沖縄ろう学校の生徒への指導も予定しており、熱い思いは世代を超えて広まっている。(溝井洋輔)

第6回沖縄和太鼓ふれあいフェスタで、息の合った演舞を披露した琉球聾太鼓のメンバー=2013年12月15日、読谷村文化センター鳳ホール

結成2年目を迎えた琉球聾太鼓のメンバー=2013年12月23日、南風原町神里・障害者支援施設「太希おきなわ」体育館

第6回沖縄和太鼓ふれあいフェスタで、息の合った演舞を披露した琉球聾太鼓のメンバー=2013年12月15日、読谷村文化センター鳳ホール 結成2年目を迎えた琉球聾太鼓のメンバー=2013年12月23日、南風原町神里・障害者支援施設「太希おきなわ」体育館

 琉球聾太鼓は2012年9月の全九州ろうあ者大会への参加に向け、同年4月に発足。二十数年前に県内に和太鼓ブームがあったが、そのときに経験した牧志正人代表(54)ら3人を中心にエイサーの経験者、初心者も加わった。県聴覚障害者協会員の男女20人が週1回程度の練習に励む。

 オリジナル曲「聾者達の響き」は「静寂」「聾響」「大地」「自立」の4部構成。聴覚に障がいがある人の気持ちも表す約20分の大作だ。最年少の新垣愛花さん(20)の特技の空手と棒術、サイも取り入れ、太鼓歴27年の牧志さんは念願だった大太鼓を打つ。

 牧志さんは「キーボードやギターは聞こえないが、太鼓には振動がある。お客さんの聴覚障がいの人にも、伝えることができる」と魅力を語る。県聴覚障害者協会会長でもある下地盛栄さん(63)は「聴覚障がい者に見てもらい、感動してもらいたい。世界を目標にアピールしたい」と意気込む。

 慶良間太鼓同志会(新垣徹会長)との合同練習で技術を吸収してきた。新垣会長は「長年、和太鼓に携わっているからこそ、すごさが分かる。アイコンタクトと空気を感じて合わせるということが衝撃」と話す。指揮者もいない中、テンポはその場の雰囲気で変わることがよくあり、ずっと合わせる集中力に驚きを感じるという。

 那覇市内で25日に開幕する「第19回全国中途失聴者・難聴者福祉大会in沖縄」の2日目で演舞する。9月の全国体育大会、10月の九州陸上大会に向け今春から県立沖縄ろう学校への指導を控え、太鼓の寄贈も呼び掛けている。