どうしても納得できない話である。菅義偉官房長官、自民党の石破茂幹事長と秘密裏に会談した仲井真弘多知事の対応がどうもおかしい

 ▼仲井真知事は22日夜、菅、石破両氏と都内で会談。その際に米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をこれまで通り推進する方針を伝えられた。両氏は会ったことを認めている。石破氏は「(移設を)どう着実に進め、どう県民に理解を深めていくかという話をした」と内容を記者団に説明した

 ▼だが、一方の当事者の仲井真知事は会談そのものを認めていない。24日の定例会見も「ノーコメントにしたい。彼らに会ったつもりはない」とあらためて否定した

 ▼官房長官と幹事長が口裏を合わせて作り話をこしらえるわけがない。移設に反対する名護市の稲嶺進市長の再選で移設計画の難航が予想される中、知事の協力を得る意図だろう

 ▼政府、与党とのトップ交渉を極秘で重ねるのが仲井真知事の手法だ。政治力を発揮する面もあるが、内容は不透明で、疑念は消えない。公有水面埋め立ての承認をめぐる政府とのやりとりは闇の中だ

 ▼明らかになった会談を否定し、なぜ、うそをつき通すのか。「信なくば立たず」という政治の原点に背く。政府に義理立てし、県民をも欺こうとするのは知事への信頼を失墜させる愚行でしかない。(与那原良彦)