3月21日に甲子園球場で開幕する「第86回選抜高校野球大会」に、沖縄尚学と美里工業の出場が決まった。県勢が2校出場するのは2010年以来、2度目の快挙だ。

 両校は、昨年10月の秋季九州大会で、大会史上初めて県勢同士の決勝戦を実現し、沖尚が優勝、美里工が準優勝した。両校とも甲子園への切符が確実視されていたが、あらためて祝福したい。

 沖尚のセンバツ出場は2年連続6度目で、県高校野球史に刻まれる1999年の県勢初優勝を含め、2度頂点に立っている。

 昨年11月には、明治神宮野球大会で県勢初の栄冠を手にしており、センバツでも優勝候補の筆頭と目されている。エースの山城大智を中心に、勝負強い打撃が持ち味だ。

 美里工は春夏通じて初出場である。秋季九州大会に先立つ県大会では、沖尚を下して優勝しており、全国的に見ればフレッシュ校だが、実力は折り紙付きとみていい。

 伊波友和、長嶺飛翔の二枚看板が強みで、好不調の波がほとんどない走塁の強化に力を入れている。

 両校は高校野球関係者の間で「沖縄2強」と評されることがある。競い合うライバルは、チームをもう一歩高みに引き上げる大きなモチベーションになる。激戦を繰り広げる相手の存在が互いの技量に磨きをかけているのは、間違いなさそうだ。

 甲子園でも一戦一戦勝ち抜き、ライバル同士の相乗効果を上げてもらいたい。

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 両校の選手らは喜びを爆発させながらも浮かれた様子が感じられないのが頼もしい。

 特に沖尚は昨年、センバツの初戦で大敗、夏も2回戦で敗退しており、甲子園の怖さを知っているからだ。「まずは初戦突破」(赤嶺謙主将)と気を引き締める。

 8点差をひっくり返した神宮大会の決勝戦で学んだことは、最後まで諦めないことだった。全4試合中2試合で3点差以上を逆転している。この経験は貴重だ。同校のモットー「怖(おそ)れず・侮らず・気負わず」を実践したいものだ。

 美里工は「やってやろうという気持ちになった」(高江洲大夢主将)と闘志を見せる。エースナンバーの伊波は「どこでも自分の投球をするだけ」と冷静だ。

 唯一の甲子園経験者は神谷嘉宗監督である。2008年の夏の大会で浦添商を率いて4強入り。「甲子園では弱気になったら負け」と語る。チャレンジ精神を忘れず、伸び伸びプレーを期待したい。

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 鹿児島県立大島高(奄美市名瀬)が21世紀枠で初出場することも、琉球弧の仲間として喜びを分かち合いたい。奄美群島からは初めてで、花火が打ち上げられた。文字通りの「悲願」達成に、島じゅうが沸いているようだ。

 沖縄と同じく戦後、米軍統治下に置かれた。昨年12月、日本復帰60年の節目を迎えた。奄美大島には高校が4校しかなく、対外試合もままならない。離島のハンディを抱える点は沖縄と共通している。

 甲子園で3校が思う存分暴れ回り、「琉球弧旋風」を巻き起こしてほしい。