【崎原朝一通信員】2013年度秋の叙勲で旭日単光章を受章した比嘉アントニオ・善勇さん(北中城村系)の叙勲伝達式が昨年12月12日、ブエノスアイレス市内の大使公邸であった。比嘉さんは現在、アルゼンチン唯一の邦字紙らぷらた報知の社長で、在留邦人に対する福祉功労で受章した。

水上正史大使(左から2番目)夫妻と記念撮影する比嘉アントニオさん夫妻=在アルゼンチン日本大使公邸

 式では水上正史・在アルゼンチン日本大使が、日本語とスペイン語に堪能な弁護士の比嘉さんが長年、日系人や日系団体の法的支援をするなど日系社会の運営に貢献したと称賛。勲章を手渡した。

 比嘉さんは「アルゼンチンに日系社会ができて1世紀が過ぎるが、先輩たちは日系団体を築き日本文化を継承してきた。先輩の努力ほどではないが、私も職業的立場からわずかに協力させていただいた。今後も2世、3世が日系だということを強く意識し、日本とアルゼンチンの連携を深めてほしい」と受章の喜びを語った。

 比嘉さんは生後6カ月で母や兄と沖縄へ渡り、第2次大戦後の1950年、父の呼び寄せで帰国。兄が経営する洗濯店を手伝いながら、ブエノスアイレス大学法学部を卒業、弁護士の資格を取得した。

 その後、法律事務所を開き、日系社会の定款作成や改正、法人格取得などを支援。沖縄県人移民100年史編さん委員長なども務めたほか、国立マルデルプラタ大学法学部の要請で「日本の近代民法のプロセス」を著すなど、法分野で日本とアルゼンチンの学術交流にも貢献した。

 伝達式の後、沖縄県人連合会の食堂で祝賀会を開催。日系団体の代表らが出席し、「日系団体の法人格取得など難しい分野でいろいろと手助けされたが、比嘉さんは謙虚な人柄で人前に出ず裏方として活躍された」と功績をたたえた。