一昨年9月9日の「オスプレイ配備に反対する県民大会」開催を受け、保守・革新を超えた全41市町村の首長ら代表や議長、県議ら復帰後最大規模の130人余りが上京し、沖縄の基地負担軽減を訴えた東京行動から1年。建白書に託した米軍普天間飛行場へのオスプレイ配備撤回や追加配備中止などに加え、同飛行場を閉鎖・撤去し県内移設の断念を求める要望はまったく聞き入れられなかった。それどころか、政府は普天間の辺野古移設反対を訴えて再選された地元の稲嶺進市長の意向を無視して、移設作業を加速させている。

 安倍晋三首相に宛てた建白書には「沖縄の実情をいま一度見つめていただきたい。沖縄県民総意の米軍基地からの『負担軽減』を実行していただきたい」と県民の切実な願いが託された。

 県民大会実行委員会共同代表で那覇市長の翁長雄志市長会会長の要請に対して昨年1月28日、安倍首相は「安全保障を皆さんに担ってもらったことを胸に刻みながら対応する」と述べたが、要望が具体的に進展することはなかった。

 沖縄防衛局は普天間の辺野古移設に向けた埋め立て申請を3月、県に提出。

 11月には自民党の県関係国会議員5人全員が、党本部の圧力に屈し、辺野古容認に方針を転換した。12月に自民党県連が辺野古を容認する方針を正式決定し、県民大会から東京行動を通じて確認された「オール沖縄」による「県外」要求は、事実上、崩壊する。

 昨年末に仲井真弘多知事が強い反発の中、辺野古埋め立てを承認。1月には県議会が賛成多数で知事の辞任要求決議案を可決した。

 知事は名護市長選挙で、辺野古移設の推進を訴えた新人で前自民県議の末松文信氏を全面的に支援したが、移設反対を訴えた現職の稲嶺氏が4155票の大差で再選。名護市民の移設反対の意思の強さがあらためて示された。しかし政府は選挙の2日後に、辺野古移設へ向けた手続きで業者への入札を公告。地元の民意にかかわらず辺野古移設を強行する姿勢を示している。

方針変えず追加配備 24機体制 

 建白書は、普天間飛行場に飛来した第1陣のMV22オスプレイの配備撤回と、第2陣の配備中止を求めた。だが日米両政府は既定方針を変えず、昨年8~9月に追加配備12機が相次いで飛来し、2年越しで予定通り24機体制が完了した。

 県内では沖縄本島や伊江島で訓練が繰り返され、「できる限り人口密集地の上空を避ける」ことや「午後10時~午前6時は運用上必要なものに制限する」などとした日米合同委員会合意の趣旨に反する飛行が相次いで確認された。

 昨年10~11月の県内市町村による目視調査では457件の報告のうち336件(73・5%)が合意違反と思われると判断された。

 昨年10月の滋賀県での日米共同演習にオスプレイが参加するなど、安倍政権は県外への訓練移転を試みようとしているが、日数や機数が少なく、県民感覚からすると負担軽減を実感するまでには至っていない。

 水筒落下やパラシュート降下での着地ミスもあり、住民は不安を抱いている。米本土では昨年8月にネバダ州で着陸失敗したほか、同6月はノースカロライナ州で排気熱で火災が生じ機体が損害を負うなど、トラブルも相次いでいる。

 建白書は、海兵隊のMV22だけではなく空軍仕様のCV22の嘉手納基地への配備計画も「ただちに撤回すること」を求めた。だが、空軍内で当初の2015年を前倒しさせ、今年7~9月に3機程度を先行配備する可能性も浮上。地元では議会が配備断念を求めて抗議決議するなど反発の声が出ている。