【浦添】浦添市城間にある「美容室プリンス」を描いた漫画「健全ロボ ダイミダラー」が、4月からテレビアニメ化され、関東圏で放送される。著者はデビュー10年の県出身漫画家、なかま亜咲(あさき)さん(40)(本名・名嘉真朝紀(あさき))=千葉県在住。美容室を経営する母親の上原幸子さん(63)は「私のお店を描くなんて極度のマザコンね。だけど、第2の金城哲夫(ウルトラマン原作者)。沖縄の若者としてよく夢をかなえたと思う」と目を細める。(平島夏実)

漫画家のなかま亜咲さん

 作品は、特殊能力を持つ高校生がロボットに乗り、地球征服をもくろむ「ペンギン帝国」と戦う内容。美容室プリンスは正義の拠点という設定だ。単行本は角川エンターブレインから2009年の初巻以来、4巻まで発売されている。

 登場人物は真玉橋孝一、楚南恭子、又吉一雄など、どれも沖縄の名字。亜咲さんは「20代半ばまで沖縄にいたから、こういう方がキャラに感情移入できるんです」と話す。女性のお色気シーンも多いため、幸子さんには「読むなよ」と伝えている。一方の幸子さんは「小さいころはおっぱい嫌いで、舌を出して飲まなかったくせにね」と笑う。

 でもなぜ、美容室を描くのか-。亜咲さんは「母親を愛してるからですよ。建前ですけど」とさりげないが、「泥棒と殺人以外は全部やりなさい。すべての経験が糧になる」と支えてくれた母への感謝は深い。

 人類を救う設定の美容室プリンスは、実際に多くの人助けをしてきた。約20年前、戦時中に壕の中で生き別れた女学生同士が店内で偶然再会したこともある。

 幸子さんが店を始めたのは40歳ごろ。「代々髪結いの家系だった母が亡くなる時、浦添に美容室を開くよう言い残した」という。愛用するのは、母から授かったドイツ製のハサミだ。

 祖母から母、そして息子へ。美容室は笑いや感謝とともに受け継がれている。