2013年に県内で新たにHIV感染者、エイズ患者と報告された人が24人に上ることが県健康増進課の速報値で分かった。統計を取り始めた1987年以降2番目の多さ。発症してから感染が発覚したエイズ患者が11人と多く、その割合が全国平均を上回っているのが特徴。県健康増進課は「早期発見・治療により発症をかなり遅らせることが可能」と指摘し、保健所などで行われている無料・匿名での検査を呼び掛けている。

 「沖縄HIV臨床カンファレンス」(代表世話人=藤田次郎琉球大学医学部付属病院第一内科教授)の本年度の会議が25日、琉球大学であり、県の担当者が現状報告した。同カンファレンスはHIV感染症の診療に関する諸問題の解決を図ろうと2009年6月に発足し、研究発表などを行っている。

 県によると、13年の24人のうちHIV感染者は13人でエイズ患者は11人。男性22人、女性2人だった。1987年からの累計は256人(HIV感染者163人、エイズ患者93人)。うち男性が238人と92・9%を占める。

 2005年以降の感染経路をみると、男性同性間の性的接触が70~90%を占める一方、異性間の性的接触での感染も続いている。

 HIV抗体検査はプライバシーに配慮した上で保健所などで無料・匿名で受けられる。

 保健所によっては実施する曜日が異なり、中部や南部、那覇市では夜間も可能。宮古以外は事前予約が必要となっている。

「発症で気付いた人」46%

 県が報告した新たなHIV感染者・エイズ患者計24人のうち発症して初めて感染に気付いた患者が46%に当たる11人を占めた。

 琉球大学医学部付属病院第一内科の健山正男准教授は「早期発見ができていないことを示している。患者個人が生命の危機にさらされており、公衆衛生学上は他者への二次感染を社会全体で防ぐ必要がある」と述べ、早期検査の必要性を強調する。

 健山准教授は患者自身がエイズ発症時に初めてHIV感染に気づく問題に警鐘を鳴らしている。人口の半数以上が検査を受ける欧米と比べ日本国内は検査を受ける率が低いのが主な原因だという。

 国内で発症後に感染に気付く割合は、HIV感染者2に対しエイズ患者1程度と欧米に比べて高く、今回の県調査では全国をさらに上回る46%となった。

 健山准教授は感染が水面下で広がっている可能性もあるとして「ある一定の数を超えると爆発的に増える可能性がある」とあらためて、検査の必要性を訴えている。