沖縄市サッカー場の汚染問題で、現場に隣接する米軍嘉手納基地内の小学校の保護者が真相究明を求めている。県内では昨夏以来、報道が続いているが、米軍関係者のほとんどは言葉の壁があり最近まで問題自体を知らなかった。基地側は今になって説明会を開くなど、不安打ち消しに躍起だ。(阿部岳)

汚染現場に隣接する校庭で走り回る基地内学校の子どもたち=27日、沖縄市サッカー場

 昨年6月、ダイオキシン類を含むドラム缶が見つかったサッカー場。沖縄自動車道を挟んですぐ、基地内小学校の校庭がある。距離はわずか30メートルほど。校舎も約200メートルしか離れていない。

 10歳の娘を小学校に通わせる母親、ジャニーン・マイヤーズさん(43)は「フェンスの内側の私たちは、何も知らされていなかった。子どもの健康が心配で心配で」と語る。

 昨年末、英字紙に載った投稿で初めて汚染問題を知った。父がベトナム戦争中に浴びた枯れ葉剤の影響で手足に先天障がいがあるヘザー・バウザーさんが健康被害を警告する内容に、衝撃を受けた。

 マイヤーズさんは年末に立ち上げたフェイスブックページで懸念を訴え、1カ月で700人近い参加者が集まった。これを受け、英字紙の報道も相次いでいる。

 真相究明を求める声の高まりに、嘉手納基地のヘッカー司令官は25日、ネット上で「子どもの安全は最優先事項」との声明を発表。「ドラム缶の内容物は現時点で不明」としつつ、日本側の調査と米軍による小学校周辺の独自調査で、問題はなかったと強調した。

 28日には基地内で保護者への説明会も開かれる。マイヤーズさんは「当局は騒ぎになって初めて動きだした。対応は遅すぎるし、不十分すぎる」。第三者による調査、結果判明までの校庭閉鎖を求める。

 別の母親は、周辺で体調を崩す子どもがいるのを見て、自分の子どもに学校を休ませている。「結果が出るまで1年かかっても構わない。子どもの命を危険にさらすわけにはいかない」と言い切る。

 沖縄防衛局の調査では、最も毒性が強いダイオキシン類が検出されている。健康に問題はないと主張する司令官の声明を読み、こう嘆いた。「沖縄の人々の安全も米国人の安全も、上層部にとっては大した問題ではないんですね」