東日本大震災で親を亡くした孤児や遺児の高校卒業後、大学や専門学校などの学費を全額給付する「みちのく未来基金」が、沖縄県で暮らしている可能性のある震災孤児を捜している。厚生労働省の2012年9月の調査によると、県内には基金を利用できる2人の震災孤児がいる。全国各地を訪問し孤児らを捜している基金の安井正紀さんは「性別や年齢も全く分からない。ぜひ、名乗り出てほしい」と情報提供を呼び掛けている。(與那覇里子)

「みちのく未来基金」の活用を呼び掛けるパンフレットや資料

 基金は、東日本大震災後、子供たちの夢が絶たれないような支援をしようと、阪神・淡路大震災を経験したロート製薬(大阪府)が、食品会社のカルビーやカゴメに呼び掛け、11年に設立した。

 25年間は活動を続ける計画。12年度は90人、13年度は122人が給付を受け始めている。

 基金の年間給付の上限は300万円で、戸籍謄本が必要。成績の提出はない。年に1度、基金側が利用者の現状や悩みを聞く面談があるほか、利用者同士の交流会などがある。

 安井さんは、沖縄県内で活動している被災3県の県人会や被災地からの避難者を訪れているが、「全く手掛かりはない。官公庁が協力的な他県では、見つかりやすいが、沖縄ではまだ個人情報保護法の壁は厚い」と話す。

 「孤児の場合、親戚などを頼って移り住んでいることが多いので、2人が沖縄に住み続けている可能性は高い。学費が確保できず、進学希望の子が夢を絶たれることがないように、基金の存在を知ってもらい、選択肢の幅を広げてほしい」

 問い合わせは同基金、電話022(343)9996。