県内の建築設計事務所が、不動産業の免許を取得する動きが広がっている。中古住宅を大胆に改築し、デザイン性や機能性を向上させるリノベーションが、マイホームを持っていない若い世代にも浸透し、物件探しの依頼も増加。物件紹介から設計、施工まで携わるワンストップサービスでの対応で需要の掘り起こしを狙う。(照屋剛志)

ワンストップサービスの流れ

 設計事務所のクロトン(浦添市)は昨年9月、不動産業に必要な宅地建物取引業の免許を取得。同年12月からワンストップサービスを始めた。 昨年から、中古住宅を自分好みのデザインに大幅に改築するリノベーションの相談件数の増加に伴い、顧客から中古住宅の物件探しまで依頼されることが多くなったという。

 下地鉄郎社長は「従来の不動産屋が目にもかけないような物件でも、リノベーションでよみがえらせることができる」と物件紹介でも強みを発揮できると意気込む。

 同社は、中古住宅の耐震基準適合証明書の発行も始めた。築20年以上の木造住宅だと、同証明書の発行で、登録免許税や不動産取得税が減額されるほか、住宅ローン減税などのメリットが受けられる。下地社長は「同制度を知らない客が多いので、周知すればニーズは高まる」と期待する。

 LSDデザイン(宜野湾市)も昨年8月に同免許を取得し、リノベーションに特化した部署を立ち上げた。ことしの春から、建築士を講師にしたリノベーションのセミナーを開催して需要を取り込みたい考えだ。

 佐平建設(那覇市)も中古物件の売買を本格化させて「顧客サービスを充実させた」。アレックス(同市)も昨年10月に同免許を取得した。

 2007年から、不動産会社と連携してリノベーションの普及に取り組んでいるミックス(宜野湾市)の比嘉祥代表は「物件によっては建築費を新築の半分にまで抑えることもできる上、流行のデザインも取り入れられるため、30代前後の若い世代を中心に人気が出ている」と分析。

 若い世代は住宅を持っていないことが多いため、中古物件探しのニーズも出ているとし、「ワンストップサービスで需要はさらに広がるだろう」とみている。