若手美術家の登竜門として知られる「VOCA(ヴォーカ)展2014」(3月15~30日、上野の森美術館)で、県立芸術大学卒業生で名古屋市在住の佐藤香菜さん(31)が大原美術館賞を受賞した。県関係者では、2002年に照屋勇賢さんがVOCA奨励賞を受賞して以来の入賞。佐藤さんは「第2の故郷、沖縄で養った感受性を出していきたいという思いがあった。名古屋に帰ってきてお世話になった方に受賞を伝えられてほっとした」と喜んだ。

 佐藤さんの作品は「マブイグミ(enter)」と「マブイグミ(exit)」の二つの油彩画からなり、シカをモチーフに空間を生かした構成。選考委員長の高階(たかしな)秀爾(しゅうじ)大原美術館長は、「優れた描写力と謎めいた空間感覚の融合が魅力」と評している。

 佐藤さんは愛知県出身。07年に県立芸大を卒業した。沖縄で感じた、魂がその辺りに浮遊している感覚が残っているといい「現実と夢を行き来するような世界を表現した」という。

 VOCA展には、地域の学芸員、研究者、ジャーナリストから選ばれた選考委員が40歳以下の作家1人を推薦。推薦された作家は全員展覧会に出品する。今回は33人が推薦され、県内からは山川さやかさん(37)が「めざめ」を出品する。