県内の雇用情勢は指標でみる限り、改善傾向が続いているのは間違いなさそうだ。ただ、雇用を取り巻く環境が厳しいことに変わりがなく、楽観はできない。雇用の量を増やすと同時に、質の改善を図ることが重要な課題だ。

 県が発表した2013年の完全失業率は前年と比べ1・1ポイント低下し、5・7%となった。年平均で5%台に落ち着くのは実に18年ぶりである。

 だが、全国と比較すると、依然として開きがあるのが実情だ。13年の完全失業率は全国平均で4・0%である。総務省が発表した全国を11地域別に分けた完全失業率でも、沖縄が、北海道を1・1ポイント引き離し、ワーストだ。

 15~29歳の若年者の完全失業率は8・5%と高止まり。前年が11・5%で、2桁から1桁台に落ちていることから、厳しい雇用環境は続いているものの、少しずつ脱しつつある兆候とみたい。

 若年者の失業問題は沖縄の長年の懸案である。この年齢層は来るべき沖縄社会を担わなければならない人たちだ。10人に1人が失業者であることを考えれば、社会全体に与える損失は計り知れない。

 就職しないまま高校や大学を卒業してしまうと、その後、仕事を見つけ、継続していくのは多くの困難が待ち受ける。キャリアも積めない。沖縄には大企業が少なく、ほとんどが中小零細企業だ。労働力の受け皿としては不十分であると言わざるを得ない。

 県には、高校や大学、県内外の企業と連携しながら、さらに若年者の雇用開拓に力を入れてもらいたい。

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 ハローワークで仕事を探す人1人に対して何件の求人があるかを示す有効求人倍率も13年は年平均で0・53倍と、前年と比べ0・13ポイント改善した。復帰以降では、1989年に並ぶ最高水準という。

 といっても、全国と比較すると、やはり、まだまだである。2013年12月の沖縄の求人倍率は過去最高の0・61倍に達したが、全国都道府県別では最低だ。この月の全国平均は1倍を超えている。

 気になるのが、県内の求人倍率を押し上げているのがコールセンターなどの派遣業や、観光業と関わりの深い宿泊・飲食サービス業が中心になっていることだ。

 いずれも求人ニーズは高いが、低賃金や長時間勤務など労働条件が厳しく、ミスマッチが指摘されているからだ。非正規雇用の比率も高い。

 非正規雇用は、正規に比べ賃金が低く、契約も不安定である。県内の非正規は13年、40・4%に上った。雇用形態に構造的問題がある。

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 県内では13年の観光客数が過去最高の641万人に達し、公共工事も急増している。医療・福祉分野も伸びるなど雇用環境に追い風が吹いている。建設業界は東京五輪を控え、震災復興などで全国的に人手不足だ。県内でも熟練を必要とする鉄筋工や型枠工などの人手不足が目立つ。

 4月の消費税増税の影響が懸念材料だが、雇用改善の動きを持続させるためにも、業績を上げた企業には、正規、非正規を問わず待遇改善に結びつけてもらいたい。