復帰前から県内でバイオリンを指導し、県立芸術大教授や東京交響楽団のコンサートマスターなどを務めた鳩山寛さん(90)が1日、浦添市の徳山クリニックでコンサートを開いた。病気療養のため秋までに東京へ移住する鳩山さん。駆けつけた教え子ら約40人に囲まれ演奏を楽しんだ。(西江千尋)

演奏を終え、笑顔を見せる鳩山寛さん

教え子らと演奏を楽しむ鳩山寛さん(右)=1日、浦添市の徳山クリニック

演奏を終え、笑顔を見せる鳩山寛さん 教え子らと演奏を楽しむ鳩山寛さん(右)=1日、浦添市の徳山クリニック

 バイオリンやチェロなどを持参した参加者とカノン、てぃんさぐぬ花、芭蕉布などを演奏した。手足がしびれ、歩行が困難になる脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)を患う鳩山さん。弓を持つ右手の握力は弱っているが、伸びやかで美しいハーモニーを響かせ、9曲を演奏しきった。

 那覇市首里出身。教師だった父の転勤で10歳から東京で暮らした。幼少期にバイオリンを始め、当時最年少の14歳で全日本音楽コンクール1位を受賞。1962年から沖縄の子どもたちに指導してきた。90年、県立芸術大学に音楽学部が新設されると教授に就任し、多くの生徒を育ててきた。

 沖縄交響楽団の宮城茂光団長は「弦楽器を弾く人が少なかった復帰前からバイオリンの指導にあたった。先生の影響でバイオリンを始めた人も多く、沖縄の弦楽器の恩人」と話す。

 児童施設や老人ホームでのボランティア演奏も続けている。「音楽を聴き、曲に合わせて歌うと楽しくなるでしょう。楽しく朗らかに生きていきましょうということを、演奏を通して伝えたい」と話す。

 演奏を終えた鳩山さんは「気持ちよかった」とにっこり。「指が動く限り、演奏を続けたい。体調と相談して、また沖縄で演奏できればいいなぁ」と笑顔を見せた。