県内の65歳以上の高齢者のうち、生活保護を受給している割合は4・93%で、全国で2番目に多いことが分かった。横のつながりが強く、助け合いの精神が残る沖縄だが、現実には、深刻な高齢者の貧困問題が存在していることを裏付けている。

 生活保護を受ける資格のある生活水準の人が実際に保護を受けている割合(捕捉率)は2割程度といわれる。これを踏まえると、生活保護を受ける高齢者の実数はさらに高くなる可能性がある。関係機関は、早急に実態を把握し、必要に応じた救済策を強化すべきである。

 厚生労働省の被保護者全国一斉調査(2011年)を基に武蔵野大学の舞田俊彦講師が試算したものだ。県内の割合は、1位の大阪府の5・57%に次いで高かった。実に高齢者の約20人に1人が生活保護を受けていることになる。

 生活保護や年金に詳しい社会保険労務士の吉田務さんによると「捕捉率を考慮すると、県内では8万世帯、12万人が生活保護利用から漏れ落ちている」と言う。この数字の中には、高齢者も含まれているはずだ。

 背景にあるのは、自治体の窓口で申請を門前払いする「水際作戦」のほか、生活保護に対する偏見やスティグマ(恥や負い目)などから申請をためらう人がいることだ。

 昨年12月の臨時国会で成立した改正生活保護法は、申請手続きを厳格化し、不正受給への罰則強化を盛り込んだ。扶養義務者に対する自治体の調査権限も強め、一層の萎縮効果をもたらしかねない。

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 沖縄で高齢者の生活保護受給割合が高いのは、戦後27年間におよぶ米軍統治で年金制度への加入が遅れたことや、県民所得の低さが影響しているとみられている。

 11年度の国民年金保険料の沖縄県の納付率は38・14%(全国58・64%)だった。吉田さんによると、所得が低いため納付の全額免除や猶予を受けている人の分を除外せずに算出した場合の実納付率は、17・8%だという。

 必要最低限の生活を保つための収入がない人の割合を示す「絶対的貧困率」と、就業世帯のうち所得水準が最低生活費以下の世帯を示すワーキングプア率が、沖縄県はいずれも全国ワースト(07年)という報告もある。

 「払いたくても払えない」所得の低さや貧困が、無年金者、低額年金者の増大につながる負のスパイラルに陥っている。これをどう断ち切るのか。沖縄の将来を見据えれば避けては通れない課題だ。

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 公的年金の支給額を昨年10月分から15年4月にかけて合計で2・5%減額する政府方針に対し、年金受給者らでつくる全日本年金者組合は、全国で12万人、県内で600人余が、削減の取り消しを求めて行政不服審査請求を申し立てた。

 県内の国民年金受給月額は全国平均を2千円下回り、無年金者も約3万人いる。

 4月からは消費税増税が控える。円安による生活必需品の値上げも広がる。年金が減額される高齢者にとって、まさに死活問題である。