尖閣諸島の領有権問題で落ち込んでいた中国からの観光客が回復し、県内百貨店や量販店で春節(旧正月)需要の売り上げが戻ってきている。一部商品で1万円を超える買い物をすれば外国人旅行者の消費税負担を免除する国の制度で、衣料品や、炊飯器やデジタルカメラなどの高額商品の販売が好調だ。クルーズ船や、日中関係の悪化で開設を延期していた路線の就航で、中国からの客足は引き続き増える見通し。各社は消費税増税後の売り上げ減に備え、消費意欲の旺盛な中華圏観光客の取り込みを強化する考えだ。

 家電量販店のエディオン那覇メインプレイスでは1月の売り上げが前年同月比10倍に激増、1月の過去最高を更新した。2012年9月の政府の尖閣諸島国有化後、上海や北京からの路線が減便・運休していたのが、昨年夏ごろから徐々に再開。担当者は「バスで20~30人の集団で来店し、単価の高いものから売れている」と話す。

 売れ筋は炊飯器やステンレス製の水筒、デジタルカメラ、タブレット端末など。1万円を超えると消費税が免除されるためまとめ買いする客が多いという。通常、客単価は1万円前後だが、中国人客は倍以上。担当者は「増税後は売り上げが落ちる。中国客の需要を取り込んで落ち込みをカバーしたい」と意気込む。

 百貨店のリウボウは、春節に合わせ、インターネットショッピングサイトの楽天市場で1位を獲得した牛タン弁当やメロンパンなど12品が味わえる「グルメセレクション」を開いた。日本で人気の高い食材の企画展を呼び水に、紳士服や婦人服などの売り場に客足を誘導。5%の消費税を免除する対象商品の売り上げが前年比330%増となった。

 春節期間中の売り上げで前年割れの可能性もあった1月の売り上げは前年比2%増を確保した。3月1日からは開店時間を30分早めて、食品フロアの閉館時間を1時間半延ばす予定で、担当者は「朝早くから買い物し、夜遅くまで食品を買い求めるアジア人客を取り込みたい」と気合を入れる。

 イオン琉球は、中国人客の来店が一番多い北谷店を対象に、パスポートの提示で買い物金額から5%を割引くキャンペーンを展開した。昨年4月に中国語のできる社員を採用し、売り場には英語のできる社員を配置。春節への対応を強化した。担当者は「アジアの成長を取り込むため、グローバル人材の採用を強化したい」と話した。