米軍嘉手納基地の返還地にある沖縄市サッカー場の汚染問題で、空軍退役少佐が4日、「1969年と70年、上司の指示で現場に除草剤のドラム缶を捨てた」と証言した。現在のサッカー場と基地内小学校の校庭にまたがる地域が、基地のごみ捨て場だったという。沖縄タイムスの取材に答えた。米軍が返還前の用途や汚染の責任を明らかにしない中、ずさんな投棄の実態が明らかになった。(阿部岳)

ロナルド・トーマス氏

除草剤の投棄場所

ロナルド・トーマス氏 除草剤の投棄場所

 証言したのは米カリフォルニア州在住のロナルド・トーマス氏(61)。父も軍人で、基地内に住んでいた。16歳と17歳当時、軍でアルバイトし、上司の軍曹の指示でごみ捨て場を使った。

 トーマス氏は「『除草剤』『嘉手納基地』と書かれた10個近くのドラム缶を捨てた。軽いので空だと分かった。洗浄されておらず、薬品の臭いがした」と説明した。

 除草剤は沖縄の基地従業員が防毒マスクを着け、基地内の住宅や道、野球場などあらゆる所で散布した。トーマス氏も同行し、散布前に大きな草木を刈り取るなどした。散布時は離れるように言われたという。

 猛毒の枯れ葉剤エージェント・オレンジ(オレンジ剤)だった可能性について、「まいて1カ月で雑草が生えた」と否定的な見方を示した。ただ、専門家は「オレンジ剤をまいて1カ月後に植物が生えることはある。効果の期間と毒性に関連はない」(愛媛大学の本田克久教授)と指摘。毒性の懸念はぬぐえない。

 トーマス氏によると、ごみ捨て場周辺にはフェンスがなく、一般住民も出入りして金属類の廃品回収をしていた。汚染されたドラム缶が持ち出された恐れもある。また、現場では燃やしたり、「持ち出されては困る物」は埋めたりすることもあったと話した。