読書とビデオざんまいの休日が終わるころ、誰とも言葉を交わしていないと気付き、がくぜんとしたことがある

 ▼至福の一日だったと思い込もうとしても、他者と関わらない過ごし方に心の渇きを覚えた。社会から孤立し、独りでこの世を去った人の心中を推し量るのは容易ではない

 ▼那覇市社会福祉協議会のまとめでは2013年1月からの10カ月間に市内で孤立死した人は93人に及ぶ。多くは病死だが、孤立が原因とみられる自殺者が16人もいた

 ▼高齢者にとどまらず30~40代も増えており、深刻さを増す。支援の対象も、40代の男性や子育て中の30代女性へ広がる。母親が孤立すれば子どもの命が脅かされ、痛ましい事態を招きかねない

 ▼『ルポ虐待-大阪二児置き去り死事件』には、1人で子育てを背負わされ、友人や知人らと連絡は取るのに「助けて」の一言が発せられず、孤立を深めた若い母親の姿がある。元夫を含め家族は、母親へ支援の手は差し伸べなかったのに処罰感情は強い

 ▼著者の杉山春さんは説く。「1人では子どもを育てられないと伝えることができれば、子どもたちは無残に死なずにすんだ」「母親だけが子育ての責任を負わなくていいということが当たりまえになれば、大勢の子どもたちが幸せになる」。社会は変わらなければならない。(与那嶺一枝)