県内の2013年新設住宅着工戸数が前年比30・7%増の1万6618戸となり、統計を取り始めた1973年以降、過去41年間で6番目に高い水準となった。世帯数の増加に加え、消費増税前の駆け込み需要も重なり、大きく伸びた。建築業界は活況に沸く一方で、職人不足による人件費の上昇や資材高が建築業者の収益を圧迫。工期の遅れも目立ち始め、一部では「もうかっている実感がしない」と苦悩の声も上がる。(照屋剛志)

 県内の新設住宅着工戸数は、人口と世帯数の増加を背景に2011年から増加が続いている。13年は消費増税前の駆け込み需要で、6月から7カ月連続で前年同月を上回った。

 1997年に消費税が5%に引き上げられた際、前年の96年にも駆け込み需要があり、今回と同水準(1万7456戸)の着工があった。

 大手ハウスメーカー幹部は「申し込みが絶えない」と受注の増加に喜ぶ。一方、急激な受注の増加で、型枠工や鉄筋工などの現場職人が不足し、人件費が高騰。建築コストの7割程度を占めるとされる人件費の上昇で「利益率は落ち込んでいる」と話す。

 円安による資材高も重なり、大晋建設の下地一則専務は「人件費1~2割、資材が2割上昇しており、忙しいのに利益が残らない状況」と苦境を吐露する。

 住宅建築は、契約から着工まで3~6カ月かかるといい、「その間にコストが急に上昇している。販売価格への転嫁も考えたが、契約時に提示した見積額を大きく上回ってしまい、施主の理解を得るのは難しい」と述べた。

 人手不足で、工期の遅れも広がっている。建築会社の担当者は「うちは1~2カ月遅れ。工期が遅れると人件費や資材リース料がかさみ、さらに利益をそがれる」と頭を抱える。6カ月遅延の会社もあるとし「社長が施主に謝罪して回っている」という。

 りゅうぎん総合研究所の伊佐昭彦上席研究員は、新設住宅着工戸数について「ことし1~3月は反動減で前年を下回るだろう」と予測。一方で、世帯数は変わらず伸びる見通しで、増税と併せて住宅ローン減税の拡充も検討されていることから「4月以降は持ち直す可能性が高い」としている。

 建築業界も「この状況はしばらく続く」と見通しは一致しており、コスト上昇分の販売価格への転嫁が今後の課題となりそうだ。