県は庁議で2014年度の当初予算案を決めた。一般会計の総額は7239億円。前年度と比べ251億円(3・6%)増え、過去最高となった。4月からの消費税増税をにらんで国の予算が膨らんだことや、好調な県経済を反映して県税収入が伸びたことなどが、予算規模の拡大につながった。

 県は昨年、予算編成作業の基本方針となる「14年度重点テーマ」をまとめた。いの一番に挙げられているのが「日本経済活性化の一翼を担う『フロンティア創造』」である。14年度予算案は、国際物流、観光関連施設など、産業振興にかける仲井真弘多知事の思いが色濃くにじんだ予算となっている。

 知事選を控えた2期目最後の年だけに、子育て、健康長寿、医師確保など、暮らしに密着した新規事業が各分野で満遍なく予算化されている。

 県は2月定例県議会に、県立病院事業局の定員を80人(医師38人、看護師42人)増やす条例改正案を提案する。認められれば、県立宮古病院と同八重山病院に先島地区で初めての新生児集中治療室(NICU)が設置される。高度医療に接する機会が乏しい離島住民にとっては大きな朗報である。

 かつて国との予算折衝で重視されたのは、振興予算の総額を確保することだった。施設整備を中心にした追いつき追い越せの時代は、それでよかったかもしれない。しかし、今、検証しなければならないのは、基地維持・基地建設のためのルールなき財政支出の実態である。

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 14年度の国の沖縄振興予算は3460億円。那覇空港滑走路増設事業に330億円、沖縄振興一括交付金に1759億円、沖縄科学技術大学院大学に198億円が計上された。前年度比15・3%増の大盤振る舞いだ。

 安倍晋三首相は現行の沖縄振興計画期間中、沖縄振興予算として毎年、3000億円台を確保する、とさえ言ってのけた。石破茂自民党幹事長に至っては、名護市長選の終盤に500億円基金構想を唐突に打ち出し、地元有権者からひんしゅくを買った。

 米軍普天間飛行場の辺野古移設に向けた、あまりにもあけすけな札びら攻勢である。

 沖縄県はこれまで、自立経済の構築と、財政依存体質からの脱却を目標に掲げてきた。だが、米軍再編交付金といい、一括交付金といい、基地受け入れの貢献度がちらつく。自治体に対する一種の脅しである。

 14年度予算案が過去最高になったのは、辺野古沖合の埋め立て承認を前提にしたものであり、その意味では「基地と振興のバーター予算」といっていい。

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 沖縄振興を基地維持・基地建設の「ごほうび」にしてはならない。ルールなき財政支出に甘えていると、知らず知らずのうちに財政依存体質が染みつき、ハコモノ行政から抜けきれなくなる。

 要求すべきは堂々と要求する。当然だ。しかし、媚薬をかがされ、県内自治体に対立と思想差別的な状況を生み出してはならない。